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生命1.0への道
絵・米田絵理
藤崎 慎吾
プロフィール
目次
*各項目(タイトルや中見出し)をクリックすると、その項目へ移動します。
第1回 「がらくた生命」または「生命0.5」
進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは1871年、友人の植物学者に手紙を書き、生命がさまざまな栄養に富む「小さな暖かい池」で一連の化学反応から生まれた可能性を述べた。それから150年近くの間に「生命の起源」については様々な説が登場した。しかし未だに結論は出ないばかりか、むしろ混迷を深めている。その中で改めて注目されるのは「生命とは何か」という定義だ。研究者の中には、ソフトウェアで言えばベータバージョンのような「半生命」の存在を唱える人もいる。
海か陸か宇宙か「生命のふるさと」を探す研究の150年
宇宙へ、深海へ。広がる「生命のふるさと」候補
諸説入り乱れる戦国時代
生命のベータバージョンは生命か?
第2回 「母なる海」は都市伝説か?
生命が誕生した場所について、現在では2つの有力な候補がある。「海底の熱水噴出域」と「陸上の温泉地帯」だ。それぞれにメリットとデメリットがある。一方で生命の「材料」がどこからもたらされたのかについては、「地球上」という説のほかに「宇宙から」という説や、「両方」という考えもある。前回に引き続いて、これらの論点を一つ一つ整理していきたい。
海底の熱水噴出域 vs. 陸上の温泉地帯
生命の材料はどこからもたらされたのか
「海底(熱水噴出域)説」のメリット
「陸上(温泉地帯)説」のメリット
第3回 ダークホースかもしれない隕石衝突
生命が誕生したのは「海底の熱水噴出域」だったのか「陸上の温泉地帯」だったのか。それぞれの場所に一長一短があり、結論は出しにくい。また海底説と陸上説、どちらを支持するかは、生命の定義をどう考えるかにも関わってくる。この記事で陸上説を支持している研究者は「生命0.5」など半生命の存在を、きっぱりと否定している。一方で海底説を支持している研究者は「がらくた生命」がいた可能性を提唱している。また「海と陸との間」で生命が誕生した可能性を考える若手研究者は、隕石の衝突に注目している。
「がらくた生命」vs.「RNA生物」
もう一つのシナリオ
第4回 太陽系ヒッチハイク・ガイド
2017年秋、太陽系外からやってきた恒星間天体が、歴史上、初めて観測された。「オウムアムア」と名づけられたその天体によって、地球上の生命あるいは、その材料が宇宙からもたらされた可能性についても、改めて考えさせられた。果たして生命やその材料は、過酷な宇宙空間を移動することができるのか。できるとすれば、どんな条件が必要なのか? 日本では「たんぽぽ計画」を推進する研究者らによって、そうした問いへの答えが探求されている。
オウムアムアがやってきた
「たんぽぽ計画」の最新成果
「隕石宇宙船」は命がけ
火星の生命探査計画も構想中
第5回 もし細胞が一軒の家だったら(1)
細胞の構造や働きは自動車にたとえられることがある。しかし、それには無理が多いし発展性がない。そこで「○○に命が宿る」という表現にヒントを得て、細胞を家にたとえたらどうなるかを考えてみた。すると現生人類の祖先が利用した洞窟や岩陰から始まって、現在の集合住宅にまで家が「進化」してきた過程は、生命が誕生してから我々のような多細胞生物に進化してきた過程に、よく似ている可能性が見えてきた。
クロマニョンの岩陰とチムニーの窪み
竪穴住居から集合住宅へ
第6回 もし細胞が一軒の家だったら(2)
細胞の核は、どうして細胞の真ん中にあるのだろう? 普通の人なら疑問に思うこともない、そんな「謎」を、建築学や都市工学の観点から解こうとしている研究者がいる。タンパク質などの材料や、ゲノムに書かれた「設計図」だけでは、細胞の構造を説明できない。力学的なメカニズムをはじめ、もっと何か隠れた要因が働いているのではないか――そういう疑問を抱いている研究者に、細胞を家にたとえることの意味や、生命の誕生について考えていることを尋ねてみた。
「細胞建築学」の胎動
生命と都市に「隠れた秩序」
細胞建築学から見た生命の起源
第7回 簡単!合成生物学 キッチンで「細胞」をつくってみた
作家ならではの想像力も駆使しながら「生命」の本質について考えていく好評連載「生命1.0への道」、第7回は、藤崎さんがとうとう自分で「細胞」をつくってしまいました! 実は、ある研究者があの有名料理レシピサイトに、「人工細胞のレシピ」を投稿したことがありました。それをより手軽にできるようにアレンジしたのです。材料は100円ショップやスーパーで買えるものばかり、調理時間30分弱、ご自宅のキッチンで簡単にできてしまう細胞づくり、あなたもやってみませんか? ただし、お味のほどは保証できません。
削除された「クックパッド」のレシピ
キッチンで人工細胞をつくろう!
第8回 5年以内に実現? 光合成をして分裂もする人工細胞〈前編〉
「生命」とは何かを、最先端の研究の現場で考えていく好評連載「生命1.0への道」、前回は筆者の藤崎さんが「人工細胞のレシピ」を参考にしながら、30分で人工細胞膜をつくってしまいましたが、今回は「プロ」のお手並み拝見です。「膜」をこよなく愛する科学者が、いま本気でつくろうとしている人工細胞。もしそれが完成すれば、なんと、あんなことや、こんなことまで、できてしまう――人間が「神」になってしまう日は、そう遠くはないのかもしれません。
ローマ教皇のお膝元で生命を創造する
簡単かも♪ 実験室で人工細胞
人工的な「セントラルドグマ」を組みこむ
自分でエネルギーをつくらせる
光合成能力の獲得で「プレLUCA」が誕生した?
第9回 5年以内に実現? 光合成をして分裂もする人工細胞〈後編〉
はたして人類は造物主になれるのか。みなさんはどうお考えでしょうか? 佳境に入った連載『生命1.0への道』では第7回から、人工細胞づくりをめざす東京工業大学・地球生命研究所(ELSI)特任准教授の車兪澈(くるま・ゆうてつ)さんの取り組みを紹介しています。一般に言われている「生命の条件」のうち、車さんの人工細胞はすでに「膜」(ベシクル)を持ち、「代謝」のシステムも備わっています。となれば、残るはあと1つ。今回は、その最後のハードルに車さんがどう挑んでいるかを、たっぷりご覧いただきます。読み終えたあとは、冒頭の問いへの答えをもう一度、考えてみてください。
最後の壁、自己複製の実現
膜が増えれば分裂する
「危ないな」と思ったら、それが生命
第10回 分子版「ジュラシック・パーク」の世界
SFがどんどん現実になっていくかのような合成生物学の世界――今回は、40億年以上前に存在したかもしれない「原始タンパク質」の再現をめざして奮闘する科学者の登場です。アミノ酸からタンパク質をつくる「翻訳系」は、いったいどのようにしてできあがったのか? 生命の根源に迫るこの問いのヒントは、意外にも「くせ毛」にあったのです! と言われても何のことやら、でしょうが、読めばわかります。「生命1.0への道」第10回で、「くせ毛」と「原始タンパク質」の間に流れる40億年の時を感じてください。
くせ毛に秘められた進化の謎
40億年前、システインは存在していなかった?
2種類の「紐」を結びつける分子との出会い
システインがなくてもシステインはできる
タンパク質と核酸は最初から共進化してきた
システインが鉱物の表面から生命を解き放った
第11回 チップの上の「生命」
合成生物学の現場から、私たちの生命観を揺さぶりつづけるこの連載も、いよいよ終盤。今回の主役は、もはや生命とさえ思えない「何か」をつくろうとしている研究者です。しかし、彼に言わせればそれは「最小哺乳類システム」なのだそうです。とりいそぎ、その姿が見たい方は、最後のページに飛んで「図5」をご覧になってみてください。これが生命に見えるでしょうか。しかし「それ」は、本物の哺乳類のように糞もするというのです。読み終えたあと、じわじわとくる「ある種の感覚」は、熱帯夜にもおすすめです。
合成生物学で自分の身代わりをつくる
巨大なクワガタをつくりだす夢
細胞だってパニックになる
最小哺乳類システム
1個の「本物」のES細胞からすべてつくる
「生命体」の条件は代謝すること
細菌は「生命」ではない!?
皆が「おっと」と言い始めたら生命体
第12回 フランケンシュタインの大腸菌
本連載でテーマとしている合成生物学は、つまるところ「生命とは何か」という究極のテーマを考える試みです。この問題を考えるとき誰もが思い浮かべるのは「生きているとはどういうことか?」という問いでしょう。しかし、もう一方の問いの重要さにはあまり気づいていません。すなわち「死んでいるとはどういうことか?」という問いです。 実はこれに対しても、科学はいまだに確たる答えをもっていないのです。ホラー小説の先駆けともいわれる19世紀初めの傑作『フランケンシュタイン』では、若き科学者は「死のかたち」を見つめつづけたあげく、とんでもない怪物を生みだしました。それから200年後、やはり「死」について考え、大腸菌を使って「なにものか」を生みだそうとしている科学者がいます。
怪物もしくはゾンビ
200年前の合成生物学者
細胞のサイボーグをつくる
大腸菌を潰して生き返らせる
ハイブリッドセルから大腸菌が生まれた?
大腸菌の中に大腸菌を入れる
細胞の「死」を定義する
そして「怪物」との遭遇
第13回 南極に現れた「ダーウィンの池」
「生命とは何か」について、合成生物学と呼ばれるジャンルで「神」に挑むかのような研究を続ける人々を紹介しながら考えてきたこの連載も、いよいよクライマックスが近づいています。今回は原点に立ち戻り、あらためて「生命の起源」について、違う角度から考えてみます。約40億年前の生命誕生の現場を彷彿とさせる場所が、現在の地球上にもあるのです。そこで見つかったなんとも不思議な「生きもの」と、その発見者が今回の主役です。
原始的な地球環境にリセットされた大陸
池の底に広がる異世界
ふるさとは、はるか遠くのアンデス山中
遺伝子を融通し合って生き延びる
「ランボー」や「ボーン」よりは「スタンド・バイ・ミー」
アンケート結果再報告
第14回 人工生命に慰霊碑と花束を(前編)
私たち人間は、飼っている犬や猫が死ぬと、家族を失ったように悲しみ、涙を流す生きものです。小鳥や金魚でも、爬虫類や昆虫でも、最近ではクラゲやウミウシさえも、人間が慈しみ、死を悼む対象となっています。その範囲はどんどん広がっているのかもしれません。とはいえ、今回登場する科学者には驚かざるをえません。なんと、まだ誕生してもいない「人工生命」の“お墓”を建てて、供養しているのです。いったい、どんな思考のプロセスを経れば、そのような発想に行きつくのでしょうか?「生命1.0への道」はいよいよ、科学の枠を越えて縦横無尽に「生命」を議論する終章に入ります。
酒蔵の敷地に建つ奇妙な「塚」
「頭」に見立てた塚と、そこに見開く「目」
石も生物に分類されていた時代がある
「後づけ」で認める生命
「生命」に含まれる重層構造
「生命」はマーブルケーキ?
第15回 人工生命に慰霊碑と花束を(後編)
まだ見ぬ人工生命の「お墓」を建ててしまった風変わりな生命科学者、岩崎秀雄さんは世界的な業績をあげている一方で、意表をつかれる一面も持っています。「切り絵作家」というアーティストでもあるのです。切り絵と人工生命、まったく関係なさそうですが、この人の中ではつながっているようで、聞いていると、切り絵の話なのか生命の話なのか、わからなくなってくるほどです。でもそのうち、『「生命について考えること」って何だろう?』ということを考えさせられるような、なんとも不思議な気持ちになってくるのです。数々の切り絵作品もご覧になりながら、しばしの間、生命と非生命の間を「たゆたって」(岩崎さんの好きな言葉)みてください。
慰霊に値する生き物とは?
典型的ではない学者一家
ミイラ取りがミイラになった
切り絵とシアノバクテリアのセレンディピティ
切り絵は触るべきもの
主観に満ちた論文をバクテリアがハックする
科学に潜む「希薄化されたアニミズム」
生命科学とアートの「たゆたう界面」
生命は「スーパーコンセプト(超概念)」
第16回 そして「生命2.0」への道(前編)
最前線で生命と向きあう研究者を訪ねながら、「生命1.0」とは何か、つまり生命とはどこから生命なのかを考えつづけてきたこの連載も、いよいよ最終章を迎えます。最後に考えるのは、「では生命2.0があるとしたら?」というテーマです。「進化」と表現するだけでは足りない、私たちとは決定的な「何か」が違っているような生命が存在しうるとしたら、それはどんな生命なのでしょうか。SFのなかの話のようですが、実はすでに、そうした可能性を感じさせる生命も見つかっているのです! わくわくしないはずがないフィナーレ、ゆっくりお楽しみください。
幻のエイリアンまたはミュータント
アミノ酸や遺伝暗号、核酸塩基の異なる生命
選べたかもしれない「エネルギー通貨」
タンパク質も細胞膜もDNAもつくれない生命?
「生命2.0」は頭でっかちの人間
第17回 そして「生命2.0」への道(中編) コップも椅子も生命になる
生命はどこから生命なのか? すなわち生命1.0の条件とは何か? 生命0.1や生命0.5は存在しないのか? こうした問いを追いかけてきた連載の最終章は、「では、生命2.0がいるとしたら?」を最前線の研究者たちに訊いています。今回も、返ってくる答えは私たちの生命観を揺さぶるものばかり。ぐらり、とくる感覚を、ぜひ味わってください。
ノーベル化学賞受賞者の呪い
ミクロの「ターミネーター」出現
RNAだけでできた生物がいた?
世界が生命で埋め尽くされる日
変形しながら動き、増殖もする人工細胞
液晶でできた線虫や蠕虫が這いまわる
「ケイ素生物」が誕生する日は近い?
最終回 そして「生命2.0」への道(後編) 体に刻まれた宇宙の非対称性
最後に展開されるのは、フィナーレにふさわしい壮大な話です。生命の起源における「最大の謎」について、素粒子レベルから、宇宙のスケールに至る物理学の視点で考えている研究者が登場します。生命科学と物理学が融合した、見たこともない景色をご覧いただいたあとで、あらためて「生命とは何か」をご一緒にお考えいただければ幸いです。
生命の起源における「最大の謎」
「対称性の破れ」を利用する生命
生命の紐は、どこから紐なのか?
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