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刊行書籍情報

新版・クラシックの名曲・名盤

新版・クラシックの名曲・名盤

宇野 功芳

あまたある名曲・名盤から何をどう聴くか。好評を博した旧版の推薦盤のほか、曲目を大幅に増補、新発売のCDを加えて改訂した決定版。豊穰の音楽世界への新しい道案内。ベートーヴェン・弦楽四重奏曲第一四嬰ハ短調Op.131――ベートーヴェンの後期の四重奏曲、それは深い思索とファンタジーが曲のすみずみにまで浸透し、融通無碍な形式の自由さを獲得した幽玄ともいえる精神の声である。彼のモットーである〈苦悩を克服して歓喜へ〉への思想はもはや表面に現われず、孤独の影が濃い。ベートーヴェンは静かに自らの人生と心の内面を見つめているのだ。それにしても、これらは本当に淋しい、本当に孤独な人間でなければ書けない音楽ではあるまいか。人に聴かせるというよりは、彼の心の日記のような音楽なので、老ベートーヴェンと一対一で会話をするようなつもりで味わっていただきたい。当時の彼はもはや筆談でしか相手の意志が伝わらなかったのであるが……。ところで「作品131」だが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の最高傑作は何か、と問われれば、10人中9人までがこの曲を挙げるにちがいない。――本書より

定価900円(税別)

ISBN9784061493209

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