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刊行書籍情報

「死霊」から「キッチン」へ

「死霊」から「キッチン」へ

川西 政明

戦後50年、日本文学は何を表現してきたか。埴谷雄高、武田泰淳、大岡昇平ら戦後の廃墟に登場した文学者の活躍から、大江健三郎を経て、村上春樹、村上龍、吉本ばななの新世代に至るまで、多彩・多様な表現を生みだした作家と作品の世界を眺望する。一緒に読もう――戦後50年の日本文学は、激動する時代とともに歩みながら、独自な世界のかたちを与えることで、1つの時代が終っても、消滅しない作品を残しつづけてきた。埴谷雄高と安部公房と大江健三郎と村上春樹とは、まったく別な世界の上にいるのではない。同じ世界の上にいるのだが、それぞれの世界へのかたちの与え方が違ってきているのだ。すっきりして、すがすがしく、エロティックな村上春樹に惹かれる読者にとっては、埴谷雄高や安部公房や大江健三郎は、重苦しく難しい文学と感じられるだろう。しかし埴谷雄高、安部公房、大江健三郎が世界へ通じる新しい通路を開いてきたからこそ、現在、村上春樹によって新しい通路が開かれつつあることが認知できるのだ。――本書より

定価631円(税別)

ISBN9784061492707

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