刊行書籍一覧へ

刊行書籍情報

良寛―魂の美食家

良寛―魂の美食家

藤井 宗哲

大根に百合根、友と酌む旨酒……。草庵の美味で豊かな生活。晩年に交わされた、深く、真蟄な相聞歌。「道」に生き、恋に生きた、真人の魂の贅沢。大根鍋のゴージャス――頃はいいだろう。定珍よりプレゼントされた、とっておきの大好物である南蛮粉をふりかけて、ふうふう吹きながら、とろけるように喉元を越してゆく、大根の感触。すえものの酒を酌み交わし、内からは酒と大根、外からは囲炉裡の暖と、友と分かつ一体感。酒もあらかたなくなった。鍋には大根が2、3片残っている。そこへひと握りの托鉢米を入れ、やわらかくなったところで、大根の葉をきざみ、仕上げは雑炊に。…… なにより、良寛さんみずからの手による、季節としてもちょうど食べごろの大根。そして、越後の冷たい海でとれた昆布。あれこれ手を加えず、素材の性質に合った食べ方。日頃は一汁一菜なればこそ、この大根の味がひとしお美味なのである。だからこそ、草庵の囲炉裡に掛かった鉄鍋の大根も、つやつやと輝いて見える。なんともゴージャスな絵柄ではないだろうか。――本書より

定価660円(税別)

ISBN9784061492264

オンライン書店で購入