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海外ミステリ歳時記

海外ミステリ歳時記

長谷部 史親

春はバラとカーニヴァル、夏はヴァカンス、船の旅、秋はスポーツ、美術品……。古典から最新作まで500点を「四季」で読む決定版ミステリ・ガイド。園芸とミステリ──1920年代のイギリスの長篇ミステリ界では、ミステリ以外の分野に顕著な業績を残した作家が、ミステリにも進出した例が多かった。たとえば『クマのプーさん』など童話や詩で知られるA・A・ミルンが『赤い館の秘密』を書き、また当時はダートムア地方を舞台とする田園小説で著名だったイーデン・フィルポッツは『赤毛のレドメイン家』や『闇からの声』などを書いた。1924年に名作ミステリとの誉れ高い『矢の家』を発表したA・E・W・メースンもその1人で、この作家の場合もミステリより普通の小説や戯曲の方が多い。ただしその『矢の家』で探偵役として活躍するアノー警部は、すでに1910年の『薔薇の別荘』に初登場していた。いささか唐突かもしれないが、ここでもまたバラがタイトルに冠されている。この『薔薇の別荘』という作品は、ミステリの歴史を考える上では、1920年代の隆盛への前哨戦を成す作品と考えられよう。さて『薔薇の別荘』は、南フランスの保養地が舞台で……。本書より

定価631円(税別)

ISBN9784061492110

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