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協奏曲の名曲・名盤

協奏曲の名曲・名盤

宇野 功芳

オーケストラと絡みつつ色彩を増すピアノ、自在に遊ぶヴァイオリン、多様に表情を変えるチェロ、けだかく輝くクラリネット──。協奏曲の快楽を追求し、ヴィヴァルディからショスタコーヴィチまで、名盤の聴きどころを語る。シューマン・ピアノ協奏曲イ短調Op.54──コルトーのは1951年のライブで音が悪く、ピアノもミスタッチだらけだが、(中略)とにかくものすごい演奏だ。昔の巨匠の表現力がいかに濃厚自在であったか、いかに劇的かつロマンティックであったか、いかに作曲者の魂の奥底までをあぶり出すほど深かったかが納得されよう。(中略)遅いテンポを主体に気持ちをこめぬき、粘り、音符の一つひとつにすべての愛情をそそぎこみ、即興的に崩し、病的なまでのピアニッシモをひびかせ、あるいは意外にすっと通り抜ける。それらが全部芸になっているのだ。芸ができて初めて芸術にまで高まるのである。この音の悪い、ミス・タッチの多いCDを聴いて感動できた人は、すでに芸術の深奥に達しているといえよう。それこそクラシック音楽が行きつく最後の愉しみの境地である。──本書より

定価680円(税別)

ISBN9784061492042

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