「大阪北部地震は、やはり南海トラフの前兆の可能性」専門家が指摘

常に備えよ。それが大事だ
高橋 学

気分のいい話ではないが…

気分のいい話ではないことを承知のうえで、重大な事実を指摘しておきますと、4月16日、17日には紀伊半島で地震がありました。また、それ以降には徳島県南部で地震が起こっています。そして先週には紀伊水道で地震が連続して起きています。いま、西日本では地震活動がとても活発になっているのです。

南海トラフが起こる確率を、政府や研究機関は「30年以内に80%」というなんとも曖昧な数字で表現しています。地震学で80%というのは確実に地震が起きるということであり、30年以内の中には今日も明日も入っています。30年先ということではありません。

 

私は、2020年までに南海トラフ地震が起こるだろうと思っています。決して脅すわけではありません。どうか来るべき震災のための「備え」を進めてほしいのです。

先日発表された土木学会の試算でも、南海トラフ(スーパー南海)地震の被害額は、最悪の場合1400兆円とされています。日本の国家予算と比較しても、それがどれだけ深刻な問題かわかります。

残念なことに、南海トラフに備え、備蓄を進めたり、避難訓練を実施したりする自治体は非常に少ない。起こる可能性が高い災害に対して、十分な備えをしていなければ、行政の怠慢といわざるをえません。国はもちろん、自治体は南海トラフにそなえるための対策を一刻も早く講じるべきです。

津波タワーが各地にできつつありますが、その高さは約15m程度で、収容できる人数も200人以下のものがほとんど。あまりに貧弱です。南海トラフが起こった時、津波による死亡者は、国の試算で約32万人。筆者の試算では最低47万人に達します。

プレート型地震では、揺れの周期が約5秒と長く、一般住宅の倒壊は少ないです。危険なのは津波や液状化。標高の低いところでは「避難所とそこに至る避難路の確認」を進めるべきことは言うまでもありません。

1995年以降に各地で作成され各家庭に配布されているハザードマップは、様々な理由から極めて被害想定が少なく見積もられている、とみるべきです。

東北地方・太平洋地震時に津波が来ないという宮城県が作成したハザードマップを信じたばかりに、逃げる場所も時間もあったのに、適切な垂直避難が指示されず、極めて多くの児童や教職員が津波の犠牲となった大川小学校のようなことは、繰り返してはいけないのです。