「フクシマではいま、再汚染が起きている可能性がある」米国原子力研究家の警告

飯塚 真紀子 プロフィール

内部被曝の可能性

ガンダーセン氏はさらに、人肺が内部被曝の影響を受けている可能性も指摘した。

「今回の福島県訪問で、私は99.98%フィルタリングできる本格的な放射線防御マスクを、6時間に渡って身につけていました。そのマスクのフィルターを帰国後、研究所で検査してもらったところ、年換算すると大変な数値となるようなセシウムが検出されました。

ガイガーカウンターだけの数値を懸念し、内部被曝は考慮していないIAEAや日本政府、東電は、こんな数値は軽視していることでしょう。しかし、実際には、人肺は重大な内部被曝を受けていることを証明しているのです」

再汚染が起きているのはなぜなのか。一つには、政府が徹底した除染を行わなかったからだろう。ガンダーセン氏もずさんな除染状況を目の当たりにした。

「訪ねたある人家は、庭の半分だけが除染対象地域だったため、半分しか除染されていませんでした。あり得ないことです。残りの半分も汚染されているはずです。

また、ある人は、除染されたはずの自宅の車道から、高汚染されている土壌が再び見つかったため、役人に報告したところ、『一度除染したところなので再除染する必要はない』という回答が来たと話していました。信じられないことです。

ちなみに、その人の家は、峡谷を挟んで、向かい側が居住禁止地域となっているのです」

再汚染が起きているもう一つの原因に、山岳地帯に堆積していた放射性物質が、風雨により市街地に運び戻された可能性が考えられる。ガンダーセン氏は山岳地帯が高汚染されている状況も目の当たりにしている。

「山に住む野生の猿を追跡して、その糞に含まれている線量を計測した結果、それからも大量の放射線が検出されました。また、ある方から『お土産に』と猪の肉を頂いたのですが、それにガイガーカウンターを近づけると、120カウント/分という非常に高い数値が出たのです。

市街地の再汚染を防ぐため、多額の予算を費やしてでも山を除染すべきだと思うのですが、日本政府はそういった政治意志も予算もないのでしょう。また、山の降雨は河川入って行くのですが、河川の汚染状況がモニターされていないことも問題です」