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こんなに恐ろしい定年ビンボー…退職金はあっという間になくなる 

【実例集】離婚は最悪の選択
週刊現代 プロフィール

「想定外だったのは、4歳年下の妻から、『あなたが家にいるのがすごくストレス。せめて日に5時間だけは外に出てほしい』と懇願されたことです。

私がやむなく向かった先は、パチンコ店。通い出して4ヵ月後にドル箱を15箱積み上げる大当たりを出しました。その快感が忘れられず、気づいたときには、妻に内緒のへそくり350万円を全部スったんです。

損失を取り戻そうと、なけなしの生活費を競馬につぎ込んでボロ負け。それでも、ギャンブルから足を洗えず、年金が手に入ると、止める妻を払いのけて、パチンコ店に通いました」

家庭内に居場所がなく、外に出たいがためについ始めたパチンコなのに、依存症になってしまう人もいる。倉吉さんは食費を切り詰め、キャベツとそうめんばかりの生活が2週間も続いた頃に、体調不良で1週間入院した。夫の行状に呆れ果てた妻は実家に帰ったという。

「妻や子供たちから軽蔑の目で見られたら、今度は悲しくなってきて、朝から焼酎をがぶ飲みし、アルコール依存症に近づいています。読者の皆さんにはそうなってほしくないから、恥を忍んで今回のインタビューに応じました」

総務省の調査によると、定年後の夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の実収入は月約22万2000円、支出は26万5000円('11年)。一方、大卒の定年退職者は勤続35年以上で2335万円の退職金をもらう('08年、厚労省調べ)。これに定年前の貯金や定年後の公的年金を加えれば、サラリーマンの多くは、ひとまず安定した老後を送れると思っているはずだ。

 

しかし、ここで見ているように、定年後に思いがけぬビンボー生活を強いられている人たちが増えていることも現実である。家計の見直し相談センター代表の藤川太氏が解説する。

「本来なら定年後の投資は失敗が許されず、収入も低くなるのに金融機関の言うままに、退職金をそっくり運用にまわす人たちがいます。中には退職金の半分近くも失ってしまうケースもありました。また自分の子供や孫に大金をはたく人が多いのは、彼らに振り向いてほしかったり、他のことに使うより納得度が高いからでしょう。孫の大学の学費に4年で600万円も払う人、子供に仕送りするために70歳すぎても働く人すらいます。

住宅ローンがまだ何千万も残っているなど、私の見たところ、退職者の2~3割は経済的問題を抱えています。定年後、破産状態になる人も少なくありません」

実際に「定年ビンボー」に苦しむ人たちの理由は様々である。彼らの告白に耳を傾けてみよう。