「70%の確率で発生」って、どういうこと? で、南海トラフ大地震(M9.1)は来るの?来ないの? ——本当に来たら、日本は終わりでしょ

週刊現代 プロフィール

 前出の高橋氏はこう嘆く。

「政府は今回の最終報告書でも、官民が事前にしっかり対策をすれば死者数は5分の1、経済的損失は半額にできると言っています。

 しかし、せっかく対策を行っても、行政のやることにはどうも頓珍漢なことが多い。たとえば名古屋市では海側の地区で最大20m以上の高い津波が予想され、小中学生は校舎の最上階である3階以上に逃げるよう指示されています。ところが食料や防災グッズなどの備蓄場所を見ると地上や1~2階にあったりする。

 名古屋港の一部には伊勢湾台風などの被災経験から6・5mの高潮防波堤がありますが、行政はこの高さを積み増す工事をしている。

 ところが高潮防波堤は低気圧に吸い上げられたりして海面の高さがジワリと上がるのに対応するものなんです。津波のように速度があって破壊力の大きい波がぶつかれば木っ端微塵になってしまうかもしれない」

覚悟しておいたほうがいい

 これではとても減災など望めないが、高橋氏はいまが正念場で、あきれているヒマなどないと警告する。

「繰り返しますが、いつ来るか分からなくても、今後大地震は必ず来ます。

 南海トラフ大地震に限らず、東日本大震災の影響もまだまだ広範囲で続いており、内陸部でも海底でも地震が頻発していますし、最近では日本海を飛び越えて韓国の鬱陵島や、中国と北朝鮮国境の白頭山周辺までが活発な地震活動を起こしているくらいです。

 また、20世紀以降に起こったM8・5以上の大地震ののち、震災後に周辺で火山の大規模な噴火が起きていないのは東日本大震災だけです。富士山や桜島など火山の大噴火も起きてくる可能性が高い」

 今後の何年以内に何%などという数字に戸惑う必要はない。専門家たちは、大地震はやがて必ず来ると口を揃える。

 次の大地震後、日本国は財政破綻するかもしれないが、私たちひとりひとりはとにかく生き延びなければならない。そのときに備え、どこまで真剣に準備をしておけたかがあなたの生死を分けるのだ。

「週刊現代」2013年6月15日号より