「70%の確率で発生」って、どういうこと? で、南海トラフ大地震(M9.1)は来るの?来ないの? ——本当に来たら、日本は終わりでしょ

週刊現代 プロフィール

「いつ来るかは分からなくとも、巨大地震は、残念ながら必ず再びやってくるのです」(高橋氏)

 では、南海トラフ大地震が本当に来たら、日本はどうなるのか。

 南海トラフ巨大地震で想定される死者数は最大32万人、経済的損失は220・3兆円。東日本大震災での死者・行方不明者は1万8559人、被害総額は16・9兆円だから、まさに「桁違い」の惨状だ。

 都市防災が専門のまちづくり計画研究所・渡辺実所長はこう話す。

「とくに震源に近い名古屋や静岡などの都市は阪神・淡路大震災と東日本大震災の両方に襲われたような状況になります。

 地震発生直後は建物の倒壊で人々が圧死し、大火災が襲いかかってくる。交通網は寸断され、高層ビルではエレベーターに閉じ込められる人が大量に出る。阪神・淡路大震災に似た都市型の被災です。ここに、沿岸部なら数分から数十分で巨大な津波がやってくる」

 さらに、最初の災難を生き残った人々にも壮絶な日々が待っているという。

「一瞬にして950万人が被災者になる。避難所はとても足りません。救援の手も足りず、食料が届かず餓死する人が出るかもしれない。回収を後回しにせざるを得ない遺体が放置されて、感染症が流行することも考えられる」(渡辺氏)

破滅するしかないのか

 こうした人的な被害に加え、南海トラフ大地震が日本経済に与える影響も甚大なものだ。

 内閣府の被害想定では、震災後1年間の企業の生産やサービス活動の低下による被害額は44・7兆円。国内総生産(GDP)の1割弱が一瞬にして吹き飛ぶ。

 たとえば東日本大震災では、震災発生の金曜日こそ反応は薄かったものの、週明けの東京株式市場では日経平均株価が1万円を割り込んで急降下。2日間で約1600円安の8605円(終値)となり、その後は9500円前後で推移するようになった。

「東日本大震災のときは国内の個人投資家が日本経済の先行きを危ぶんで売りが膨らみ、日経平均が急落しましたが、しばらく経つと割安感から日本株を買う外国人投資家が出てきました。ただ南海トラフで大地震が起これば、さらに影響は深刻になると思います」