謎の「任天堂29歳御曹司」が中堅ゼネコンに仕掛ける「大博打」に、相手は猛反発…「何が狙いなの?」

2000億円ともいわれる巨額な資産

「Yamauchi-No.10 Family Office」(ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス)(YFO)という謎の会社が注目を集めている。

中堅ゼネコンである東洋建設に対して破格の価格でTOB(株式公開買い付け)を仕掛けているからだ。だが、それ以上に注目されているのはこのYFOの代表が任天堂の御曹司だからである。

YFOのウェブサイトよりYFOのウェブサイトより

YFOの「Yamauchi」とは任天堂の創業家である山内家。代表を務めるのは山内万丈氏という人物だ。

「任天堂を世界的な企業に育てた3代目・山内溥氏の孫です。2013年に溥氏が死去した際に、養子になっていたことがわかり、遺言書に従い資産の4分の1を相続しました。

実に2000億円にものぼるとされる巨額な資産を原資として2020年に設立した資産管理会社がYFOです。

まだ今年で30歳になるという若者ですが、今年4月には京都にある任天堂の創業跡地に豪華ホテルを開業したことでも話題になりました」(全国紙経済部記者)

同社のホームページには、「山内溥のレガシーである、『独創性』、『チャレンジ精神』、『先見性』、ユーザー目線の思考』を継承していく」と記すなど、山内溥氏を強くアピールしている。

一方の東洋建設はゼネコンとしては中堅だが、港湾など海洋土木に特化した「マリコン」と称される業界では5本の指に入る大手企業だ。政府が肝入りで進めている洋上風力発電などビジネスチャンスの拡大は一定程度あるものの、急速な成長が見込めるとは言い難い。

投資関係者は語る。

「東洋建設に対しては今年3月に準大手ゼネコンの前田建設などを傘下にもつインフロニアHDからTOBが仕掛けられましたが、YFOが介入したことで不成立に終わりました。そのときの公開買い付け価格が770円だった。

それが今回のYFOによるTOB提案では価格が1000円。この数年は株価が400〜600円の間を推移していた程度なので明らかに高すぎます。なぜYFOがここまでして東洋建設を買収したいのか不思議です」

 

この買収劇だが、両者の間には大きな不信感が生じているようだ。

YFOは東洋建設について「卓越した人材、技術、ノウハウを持ち、さらに飛躍できる企業であると確信している」としている。これに対して東洋建設は「企業価値向上策に関する情報開示が不十分である」と指摘。

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