2022.06.24

「実験」と称する壮絶なイジメで他人を死に追いやった「異常な少年たち」の“悲惨すぎる末路”【マンガ】

絶望から始まる新感覚の復讐サスペンスとして大きな注目を集める『十字架のろくにん』。緊迫感に満ちたストーリーと凄惨な復讐シーンで話題の本作は、「別冊少年マガジン」連載は振るわなかったが、漫画アプリ「マガポケ」への移籍でトップクラスの人気を獲得し、奇跡の復活劇を遂げたことでも大きな反響を呼んだ。

今回はその注目作の生みの親である中武士竜(なかたけ しりゅう)先生にインタビューを敢行。インタビュー前半では、作品の誕生秘話やキャラクター作りの裏側に迫る。

 
『十字架のろくにん』あらすじ/“実験体A”と呼ばれ、5人の同級生からの壮絶ないじめに苦しんでいた少年・漆間俊(うるま しゅん)。ある日、5人が彼を追い詰めるために起こした事故で両親が命を落とし、兄想いの弟も意識不明となってしまう。大切な家族を奪った者たちに自らの手で復讐すると誓った俊は、かつて軍の秘密部隊に所属していた祖父のもとに身を寄せ、人を壊し、処理するための手ほどきを受ける。そして4年後、生まれ変わった俊により苛烈な復讐劇の幕が上がる……。現在、コミックス6巻までが発売中。

『進撃の巨人』を輩出した「絶望コンペ」で勝ち取った連載

――諫山創先生の『進撃の巨人』を輩出したことでも有名な「絶望コンペ」を通過して連載が決定した本作ですが、誕生のきっかけを教えてください。

中武 もともと『ジョン・ウィック』みたいな復讐劇や、『処刑人』のように殺し屋が活躍する映画が大好きだったんです。とにかく主人公が強い、みたいな。そうした作品から得たインスピレーションも活かしつつ構想を練っていたのがはじまりでした。

――「絶望」というテーマありきでなく、先にご自身が好きな復讐劇や殺し屋といった要素があったんですね。

中武 「絶望コンペ」は本当に運というか、タイミングがよかったんです。『十字架のろくにん』を描いていたときに担当編集さんからコンペのことを教えていただいて「今描いているものはテーマに合うんじゃない?」といわれて。その時点で締切りまで残り1週間だったので、足りない話数を必死に描いて駆け込みで応募しました(笑)。

そういえば、当時『十字架のろくにん』を読んだ担当編集さんからは「君は偏った正義感があるよね。そこからこの作品が生まれたんじゃない?」といわれたこともありました。

――偏った正義感というと……?

中武 僕は、会社や友達の間でまかり通っているルールに「これは本当に正しいのか?」と、すごく考え込んでしまうタイプなんです。かつ、内に秘めた本心を正直に人に伝えたい欲もあって……。『十字架のろくにん』でいえば俊の“悪い奴は殺してもよい”“ただし、改心の想いが見られる場合は別”といった要素は、その偏った正義感から出た部分なのかなと思います。

祖父の猟銃を手に覚悟を語る俊。しかし、彼の復讐にもルールは存在する。©中武士竜/講談社

――「殺人は犯罪だが、すべてを奪われた者の場合は……?」というテーマは普遍的に描かれ続けてきたものですね。そこで先生は復讐者を描いた。

中武 もちろん、現実での仇討ちは絶対にダメなことです。でも、そういったテーマも漫画なら描けるんですよね。「漫画を通じてこれをいいたい!」という気持ちも強いみたいで、担当編集さんから「君は伝えたいことがありすぎる」といわれたこともありました(笑)。

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