「オギャー」という泣き声は肺を整えている

赤ちゃんは産まれると「オギャー」と泣き声を上げることはよく知られています。実はこれには医学的な意味があります。

産声にはとても重要は働きがある。photo/iStock

赤ちゃんの肺はお母さんのお腹の中では肺水という液体で満たされています。生まれてくる時に産道で圧迫された肺は産道の外に出ると再び膨らみます。赤ちゃんは生まれた後に第一呼吸をし始め肺胞に空気が入りますが、その時、肺の中にある水をギューと外側に押し込んで肺の方に吸収し、肺の中を水から空気に置き換える必要があります。

そこで必要なのがオギャーという泣き声です。あの泣き声によって、呼気(空気を吐く方の息)に50~60cmH2Oの陽圧をかけます(#6)。それにより肺の中にある小さな部屋である肺胞を均一に広げるのです。生まれてから間もなく激しく泣くのは自分の肺を整えるのに必要なことなのです。

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腸内細菌叢が未熟な赤ちゃんの命を守っている

今流行りのプロバイオティクスのビフィズス菌や乳酸菌。この恩恵を受けるのは大人だけではありません。赤ちゃんもその恩恵を受けます。

お母さんのお腹の中は基本的に無菌ですが、生まれて外に出るタイミングで母親の外陰部の常在菌の影響をまず受けます。新生児の腸管には生後2〜3日で腸内細菌叢が出来上がると言われます。善玉細菌叢が悪玉細菌叢より多い腸内環境となりますが、感染症など様々な要因でそのバランスが逆転することがあります(#7)。

特に未熟児でそうなると腸管から細菌が入り込み、全身の感染症を引き起こします。そこでそのバランスを崩さない為に、未熟な赤ちゃんに出生後24時間以内にプロバイオティクスを投与します。悪玉菌の増殖を抑制し、血流を増加させる短鎖脂肪酸を作り出し消化管の機能を高めます。そして何より未だ新生児領域で死亡率の高い病気「壊死性腸炎」を予防する効果があります。

母親から受け継いだ長尾内細菌叢で赤ちゃんは感染症などからも守られている。 photo/iStock