「軽井沢の別荘」を買って家族が「バラバラ」になった、元商社マンの悲しい末路

子どもや孫とは疎遠に…
小島 拓 プロフィール

「思い出がたくさん詰まった大切な別荘です。子どもからいずれは孫にも受け継いでほしくて何度も話し合いをするうち、だんだんとケンカのようになってしまって……もう電話にも出てくれません。今では年賀状が届くだけです」

娘と息子、どちらの家族とも疎遠になり、孫たちも成長して全く遊びに来てくれなくなってしまった、と寂しそうに話す。売りに出しても買い手がつかず、子供にも譲渡できない別荘で、寺田さんは今も孤独と不安を抱えながら一人で暮らしている。

数千万円の別荘が「投げ売り」されるワケ

筆者が懇意にしている不動産仲介会社の社員によると、伊豆や軽井沢、蓼科といったかつての有名別荘地でも「投げ売り」される別荘が急増しているという。

元々数千万円もの大金で購入した別荘であっても、築年数が30年を超えてくると上物部分の価値が格段に低くなるため、売買価格が数百万円になることはざらにある。とある不動産広告のチラシには、「販売価格1円!」「100円!」といった信じられない価格も記載されているそうだ。

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タダ同然で投げ売りされている別荘のなかには、「諸経費を売主が負担する」という破格の条件で売り出されているものもある。損をしてまで別荘を手放したい所有者が急増している理由の一つが、重すぎる税負担だ。

別荘には年間の維持費の他に、最低でも固定資産税と都市計画税、住まいにするならば住民税がかかる。ある程度の築年数が経過した物件であれば建物部分の固定資産税はさほどではないが、問題は土地部分だ。

固定資産税は地価と連動するため、地価の高い有名別荘地の場合、税負担が年40万円を超えることも珍しくない。不動産には税金がかかるものだが、都内のマンションや戸建てに比べて土地も建物も広い別荘は、どうしても税額が高くなってしまうのだ。

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