在日米軍の街・横須賀選出の小泉進次郎が「ニッポンの安全保障」をとことん語った

田原総一朗インタビュー(前編)
ウクライナ情勢のなか、日本の安全保障が改めて問い直されている。在日米軍基地を持つ横須賀選出の代議士・小泉進次郎は、北朝鮮にも中国にもロシアにも囲まれているこの国の防衛をどう見ているのか? サイバー攻撃から日米安保体制の帰趨、在日米軍基地問題をこれからどう考えるべきか……進次郎が初めて具体的に語った。

衆議院議員
小泉 進次郎
SHINJIRO KOIZUMI

1981年、神奈川県横須賀市生まれ。関東学院大学経済学部卒業。米国コロンビア大学院政治学部修士号取得。米国戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て、父・小泉純一郎衆議院議員秘書を務めた後、2009年8月衆議院議員に初当選(神奈川11区、現在5期目)。内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官、環境大臣兼内閣府特命担当大臣(原子力防災)、気候変動担当大臣を歴任。2021年11月、自民党総務会長代理に就任。

ロシアvs.ウクライナのハイブリッド戦争

田原 ウクライナ戦争は、正規軍(戦車や戦闘機、戦闘員)同士がもろにぶつかり合う旧来型の戦争ではありません。軍事と準軍事、そして情報戦争、サイバー戦争を組み合わせたハイブリッド戦争です。

小泉 ロシアのウクライナ侵略によって、ハイブリッド戦争が当たり前という時代に本格突入しました。サイバー戦争には、有事と平時の境目がありません。平時の段階から、有事に備えたサイバー上で常に行なわれている。

田原 具体的に訊きたい。サイバー戦争ではどういうことをやるわけ?

小泉 平時のうちにサイバーネットワークに入りこんでおき、いざというときにコンピュータの内部でウイルスに悪さをさせ、システムを破壊する。空港や発電所など相手の国の重要なインフラをストップさせることができます。企業の機密情報を盗み取り、外部に漏洩させてダメージを与えることも可能です。

Photo by Shinya NishizakiPhoto by Shinya Nishizaki

田原 2022年3月、トヨタの子会社がサイバー攻撃を受けたせいで、トヨタは国内の工場稼働を全部ストップしました。2021年12月には、トヨタの部品メーカーであるデンソーがサイバー攻撃を受けて情報を盗まれています。2019年6月には、三菱電機がサイバー攻撃を受けて自衛隊の装備に関する情報が盗まれました。

小泉 2022年4月14日、オバマ政権時代に国家情報長官を務めたデニス・ブレア氏が自民党の安全保障調査会で講演しています。非公開の会合ですので詳細は控えますが、日本のサイバーセキュリティがいかに弱いか、相当率直にお話しいただきました。

現在アメリカは、機微に触れるインテリジェンス(軍事機密情報)をウクライナに提供していると言われています。ウクライナ側にサイバーセキュリティの対策がしっかり整備されていなければ、インテリジェンスを提供してもらうどころの話ではありません。

 

田原 台湾有事なり北朝鮮有事が勃発したとき、日本も同じようにインテリジェンスを提供してもらえるのでしょうか。

小泉 残念ながら、今のままではウクライナとアメリカの間のインテリジェンス共有の水準は期待できない。セキュリティ・クリアランス(機密情報を取り扱う職員の身体検査)のための法整備を含めて、サイバーセキュリティの体制を早急に整えるべきときです。

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