2022.06.22

人材が流出し、インフラが崩壊して、日本は極貧社会になる。「超円安」は日本人に何をもたらすのか

24年ぶりの安値を更新する円安で悪夢のような値上げラッシュが始まった。前編「『超円安』の日本で起こること」に続き、日本の将来を見通す。

経済アナリストの森永康平氏は「失われた30年」が「失われた40年、50年」と長引く可能性を示唆する。もしそうなれば、若くて優秀な頭脳から日本を見限っていく。

円は'64年当時と同じ水準に

「人材の流出は致命的です。ソニーの技術職の初任給が25.5万円に対して、中国の通信機器大手・ファーウェイの日本法人の初任給は最低66.6万円です。これが中国・深センにある本社採用では、初任給が最低150万円です。中国とでさえ、これだけ待遇に差があるなかで、優秀な学生が日本にとどまってくれるはずがありません。

幾多の官僚を輩出してきた東京大学でも、今や学生の就職希望先の一番人気は、マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループといった外資系コンサル企業です。超円安が続けば、一定のレベル以上の学生は外国企業への就職を目指すことが当たり前になるでしょう」(シグマ・キャピタルのチーフ・エコノミスト・田代秀敏氏)

東京大学の赤門 Photo by GettyImages東京大学の赤門 Photo by GettyImages

すでに日本円の実力は半世紀前の水準に落ちている。国際決済銀行(BIS)が発表する各通貨の総合的な実力を表す実質実効為替レートで、円は4月に60.9だった。

 

「これは'73年に円が変動相場になる前の'71年8月と同じ水準です。そこまで円の実力は落ちている。6月に円は対ドルでさらに下落しており、1ドル=135円で実質実効為替レートを試算したところ、なんと東京オリンピックの'64年と同じ水準にまで沈んでしまいました」(田代氏)

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