2022.06.22
# 音楽

「ハイティーン・ブギ」「硝子の少年」…山下達郎が語る「アイドル歌謡」の奥深さ

スペシャルインタビュー!

シンガーソングライターの山下達郎さんが、11年ぶりのニューアルバム『SOFTLY』を6月22日に発売します。前編に続き、全4形態でリリースが決まった新作や、シティポップが注目を集める昨今の音楽シーンへの思い、さらにはアイドルの楽曲制作に対するこだわりについて、最新インタビューをお届けします。

 

「シティポップ」再ブレイク

――最新アルバムの『SOFYLY』は、アナログレコードやカセットテープを含む、全4形態で発売されるそうですね?

アナログレコードやカセットテープが復刻してきて、評判も上々とのことで…。時代の流れは面白いですね。

アナログレコードは、音楽を鑑賞するというメディアとしては最高の部類に入るものです。トータル40分前後の作品を、A面とB面の2回に分けて聴いていくという鑑賞手法や、レコードが奏でる音質。そして、大きめのジャケットに描かれたさまざまなデザイン。これらが混ざり合うことで、文化的なメディアミックスの形を提供しました。それは、レコード文化が1960〜70年代にかけて発達した大きな理由でもあるんです。

なので、若い世代がレコードに針を落とした時に刻まれるグルーヴ感に魅了されるというのは、十分に想定できることです。人間の聴感は40年や50年では変わりませんからね。

――1980年代の「シティポップ」が再び注目を集めています。山下達郎さんの楽曲も含まれているようですが、世代を超えて支持されているのはなぜでしょうか?

40年ぐらい前の作品が思わぬ形で持て囃されている明確な理由は、正直に申し上げて、分かりません。ただオーディオ的にも音楽的な意味でも、「アナログのレコーディングに一日の長があり、強い感動を得やすい」とは、昔から言われていたんです。

日本では、アナログレコーディングのテクニックや、それにともなう音楽的な創造性のピークを迎えたのが1982〜83年頃なので、ちょうど「シティポップ」と言われている時代の音楽と重なるんです。

そういう意味では、「技術的に優れた時代の音楽が、再び注目されるのは、必然的なことかな」と解釈していますけど、まさかそこに自分が出てくるとは思わなかった(笑)。

いわゆる“歌謡曲”からかけ離れていた僕の音楽は、「難しい」、「カラオケで歌えない」、「売れない」と、当時は散々言われていましたからね。

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