高校生、大学生、社会人だって「取り繕う」

この話を大学受験予備校に勤務する複数の講師複数名にしたところ、一様の返答が得られた。

「いやいや、それって小学生特有の話だけではなく、高校生だってその手の『不正』に走る子は本当に多いですよ」

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そのやり取りを聞いていた企業勤めの社会人は呟く。

「大人でもそうかもしれませんね。たとえば、社内外で大きなミスを犯したときに、何とか誤魔化そうと腐心している人間もいれば、反対に、自身の非を潔く認めて、そのミスをどうにかしてリカバーすべく努める人間に二分されますね。もちろん、仕事ができるのは後者のタイプですよ。前者のタイプの人たちって取り繕うのは得意なんだけど、生産的な仕事をすることはほとんどないですよね」

さらに、小学生の子を持つ執筆業に従事する女性はこんなエピソードを教えてくれた。

「『取り繕う』という表現で思い出しましたが、わが子が参加した小中高大連携のイベントがあったのですね。SDGsについてあれやこれやプレゼンするのですが、某私立大学のグループの発表は人に『いかに格好よく見せる』ことしか考えていないプレゼン。見た目だけはよい。でも、内容はスッカスカでしたよ」

もちろん、誰でも取り繕ってしまうことはあるが、自分をよく見せるために取り繕うことが「癖」になってしまうことは問題だ。

冒頭で紹介した子が将来いつまでも「取り繕う」姿勢から逃れることができないなどという短絡的な図式を描こうとするつもりはないが、これらの話を聞いてわたしは考え込んでしまったのだ。中学受験勉強をきっかけに子どもたちが表面的に「取り繕う」姿勢が常態化してしまうのは大変に恐ろしいことである、と。そして、自身のちょっとした一言がそういった姿勢に導いてしまう危険性だってあるのではないか、と。