期末に向けて「売上が足りない!」とバタバタ働くなんて、おかしくない?

他人が決めた時間軸だけで働くのはやめよう
インターネット音声メディア「Voicy」の人気コンテンツ「荒木博行のbook cafe」。主宰者の荒木博行氏が『ゼロからわかるファイナンス思考』(朝倉祐介・著)を取り上げた内容がビジネスパーソンの心をつかみ、話題になっている。荒木氏はかつて経営大学院にて運営に携わり、多くの学生たちを指導してきた。その専門的な知見から何が語られたのか。熱いメッセージをご紹介したい。

私がファイナンスを学ぶことを強く勧める理由

「絶対にファイナンスの授業を受けたほうがいい」

経営大学院に勤務していたとき、受講生たちに私は、よくそうアドバイスしていました。私が在籍していた経営大学院には単科制度というものがあって、受講生はMBA(経営学修士)を取得するために必要な科目をフルパッケージで選択する前に、受けたい科目だけアラカルトで受講することもできます。そうすると、多くの受講生はクリティカルシンキング、リーダーシップやマーケティングなどに馴染みがあって選びたがるので、大抵は「え? なんですか、ファイナンスって」「いや、私にはあまりにも縁遠くて」という反応が返ってきたものです。

 

「ファイナンス」という科目は、ごく簡単にいうと、企業財務の基本から企業価値や資本コストの計算、資金調達のやり方などを、会社に流れるお金の管理全般を学ぶものです。たしかに「それは自分の仕事とは関係ない」と思われるかしれません。では、なぜ私がファイナンスを学ぶことを強く勧めたのか。MBA取得の基本科目だからという理由だけではありません。私が受講生たちに言いたかったその理由が、『ゼロからわかるファイナンス思考』(朝倉祐介・著)にはひじょうにわかりやすく書いてあります。

この本では、「PL脳」と「ファイナンス思考」が対比で描かれます。PLとは損益計算書で、ファイナンスのように会社のお金の流れ全般を捉えるものではなくて、ある時点で確定された売上からコストを差し引いて、残ったものを利益として算出するものです。ファイナンスと違って誰でも簡単にわかるものですし、会社でどんな仕事をやっていても意識せざるを得ません。営業なら売上に直結するし、バックオフィスならコストの管理にどれだけ寄与できるかを考える。会社の決算では、「今年は増収増益でした」、あるいは「売上が下がり、コストは上がったため、利益は20%ダウンです」などと発表される。あまりにも常日頃から接する数字なので、知らないうちに何事もPLで考えるようになっていくのは、むしろ自然なことだと思います。

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