虫の先生は解剖学者

「話せばわかる、なんてウソ!」と、累計450万部の大ベストセラー『バカの壁』で断言し、私たちの目と脳みそにまで貼りついていたウロコをぽろぽろ落としてくれた解剖学者の養老孟司さん。養老先生はいつも読者のさまざまな思い込みに対し、補助線のようにスッとメスを入れ、もう一度自分の頭で考えることを促します。

撮影・伊藤弥寿彦
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講演会と虫捕りで全国に足を運ぶ養老先生は、小中学校に招かれることも多く、授業を受けた子どもたちからはこんな感想がしばしば届きます。

「先生は虫のことだけでなく、医者をやっていてびっくりしました」

「先生がいると、虫がうじゃうじゃよってきました。先生の体には虫が寄ってくる液がぬってあるのかと思いました」

なんだか楽しそうな授業ですね。教室では主に虫の話、野外ではみんなで虫捕り。一緒に虫を見ていれば「年齢の壁」なんてなくなります。子どもにどう接したらいいかわからないという大人には、この回答。

「山で虫捕りをさせておけば大丈夫です」

養老先生自身が子どもの頃から、虫を通して多くのことを学んだからこその助言でしょう。