2022.06.13

“過去100年で国内最大”の噴火…! 海底火山「福徳岡ノ場」、その驚きの“噴火シナリオ”

軽石から見えてきたこと

去年の秋、沖縄の海が大量の軽石で埋め尽くされて、観光や漁業に大きなダメージを与えたことを覚えていますか?

大量の軽石をもたらしたのは、去年8月に起きた小笠原の海底火山「福徳岡ノ場」(ふくとくおかのば)の大噴火でした。日本国内で過去100年に起きた火山噴火の中で最大規模となる噴火で、噴煙の高さは16kmにも達しました。これほどの大噴火がどのようにして起きたのか、研究者たちはその解明に挑み続けています。

噴火後初となる調査航海が今年4月に行われ、噴火のメカニズムを探るのに重要なマグマを知る手がかりになりうるサンプルの入手に成功しました。一方、漂着した軽石の分析からは爆発的な噴火の原因が見えてきました。調査によって明らかになりつつある海底火山「福徳岡ノ場」の大規模噴火の全貌に迫りました。(NHK「サイエンスZERO」取材班

軽石/NHK提供
 

大噴火を起こした海底火山「福徳岡ノ場」

海底火山「福徳岡ノ場」は、東京から南へ1300kmの小笠原の海にあります。この周辺は、太平洋プレートが沈み込む場所にあたるため火山活動が活発で、西之島をはじめいくつもの火山が連なっています。しかし、福徳岡ノ場は近くの有人島である父島や母島からも300kmほど離れている絶海にあるため、これまで噴火の過程が詳細に観測されたことはなく、謎に包まれていました。

ところが、今回の噴火については、偶然にも、一部始終が観測できました。西之島の火山活動をモニタリングするための観測装置が、噴火の衝撃で空気が振動する現象、「空振」を捉えていたのです。解析の結果、噴火は3日間に渡って、繰り返し活発な爆発が続いていたことが分かりました。

人知れず噴火することが多い海底火山で、今回のように噴火の過程が観測で詳細に捉えられたことは世界でもあまり例がありません。観測と実際の噴出物を比較しながら噴火の詳細に迫ることができる、研究者たちにとって貴重な機会なのです。

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