ロシアとウクライナの戦争がもたらす「中国脅威論」を考える

中国の習近平政権とどう向き合うべきか

ロシアとウクライナの戦争は今度どう推移していくのか。そして、戦乱は東アジアに波及するのか。前編『「正しい戦争」は世界大戦になるのか』に続いて、藤原帰一氏が語る。

「核の傘」より大事なこと

そうした中、岸田文雄総理が「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べるなど、日本ではウクライナ戦争を機に、中国脅威論が改めて注目を集めている。日本政府は、米国の核戦力で自国の安全保障を充実させる「核の傘」の強化を打ち出した。

中国が日本にとって安全保障上の脅威なのは間違いありません。通常兵器による抑止が必要な相手です。しかし、核戦力による対中抑止力の強化には、あまり意味がないと考えます。

 

現状で中国の核兵器はまだ脆弱です。仮に台湾に核ミサイルを叩き込んだら、中国本土に米軍による核攻撃が行われて、中国が壊滅的なダメージを被るだけですから、中国が核攻撃を加えると考えるのは現実的ではありません。

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いま必要なのは、中国とロシアの関係を弱めていくことです。中国は今回の戦争を見て、西側諸国から経済制裁を受けたら大変なことになるという教訓を得たはずです。中国は対外的には軍事的に強硬な態度を取りつつも、貿易体制の安定に非常に強い関心を持っています。我々はここに目をつけるべきです。

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