2021年4月に結婚したバービーさんの夫のつーたんさんによる連載「僕の妻は”女”芸人」。インスタのDMから始まり、お付き合いをするまでにも「もう会わない」と言われたこともあった経緯を率直に伝えてくれています。連載第5回では、つーたんさんがバービーさんとのデート中に衝撃的な光景を目撃した時のことを綴ってくれました。

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日中の電車の中で向けられたスマホ

2019年のとある日曜日の夕刻、友人らと飲み会の約束をしていたため、かーたんと四ツ谷駅から総武線に乗り高円寺へと向かった。本来であれば中央線に乗った方が到着は早い。しかし人混みを避けるために各駅停車の総武線にあえて乗車したのだ。彼女と一緒に電車移動するのはこの日が初めてのこと。日中に外出できることはそう多くないので、電車に乗るだけでもなんだか旅行気分で楽しいひと時だった。

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表参道デート中の1コマ。写真提供/つーたん

四ツ谷駅で乗り込んだ車両は、少々混雑気味。ふと隣の車両を覗き込むと、人はまばらで空いている様子。僕達はすぐさまそちらへ移動することにした。がらんとした座席に腰を下ろし一息つくと、僕達の後を追うように大学生くらいの女性2人がこちら側の車両へ移動してきた。最初は気にも止めずに彼女とお喋りを楽しんでいたのだが、がらんとした車内で座ることなく、こちらに体と視線を向けて何か耳打ちし合っている様子が視界に入り、少し気になり始めた。

かーたんに気がついて、後をついてきたのかも。

よくあることだった。飲食店で店員さんや居合わせたお客さんに声をかけられることも、スーパーでかごを片手に「応援してるわよ〜!」と激励の言葉をかけられる姿を目にすることもよくあった。そういったやりとりを隣で見て、僕は自分のことではないにも関わらず、毎度勝手ながら心をじんわりさせていた。彼女のことを好いてくれている人が目の前にいるということ、また彼女の楽しそうな様子を目の当たりにして、とても幸せな気持ちになるのだ。

電車が代々木駅に到着すると、彼女たちは降りていった。僕たちは座ったままふとホームに目をやると、改札へ向かう階段とは逆方向の僕達がいる方へと歩いてきた。僕が不思議そうに覗き込んでいると、ホームに立つ彼女らと目が合う。そしてすかさず2人揃ってスマホをこちらに向けた。

あ、かーたんが撮られてる。

彼女たちは声をかけるわけでもなく、きゃっきゃとはしゃぎながらこちらの写真を何枚も何枚も撮っていた。何の書類が入っていたのかは思い出せないが、その時僕が手に持っていた大きい封筒で彼女を隠そうとしたと同時にドアが閉まり、電車は動き出した。