外資の農地取得が進む過疎地でトラブル発生!

地下水や代金回収めぐり地元と衝突
外国資本の農地取得について、日本には特段の規制がない。政府は今年中に農地取得の一層の規制緩和を計画しており、農業現場では既に、外資の参入による変化が起きつつある。たとえば、中国(香港)法人の出資が49%を占めるある法人は、150ヘクタールを目標に農地の買収を進めているが、地元住民と地下水をめぐるトラブルが発生。法人設立に協力した地元農協とは関係が決裂した。

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農地取得の制限はさらなる緩和へ

「農地を取得する際、外国人や外国法人の別はありません」

だが、「外国人や外国法人が農地を取得することは基本的に困難」

外国資本の農地取得について、農林水産省の基本的なスタンスは、この金子原二郎農水相の発言の通りだ(3月2日の国会農林水産委員会より)。農地法において、農地取得に日本人と外国人、国内資本と外国資本の区別はない。

ただ、法人が農地を所有するための要件の一つに「農業関係者が総議決権の過半を占めること」があり、これが実質的に外資への規制として機能している。現実的には、外国資本の出資比率が50%を下回らないと、農地の取得は難しい。

ところが目下、この規制を緩める方向で議論がなされている。農水省では、2017年から「外国法人等による農地取得に関する調査」を行っており、調査によると、17~20年に5社が計65.9ヘクタールを取得しているが、21年6月18日に閣議決定された「規制改革実施計画」では、22年に出資要件を緩和するとされた。

「基本的に困難」なはずの農地の取得が、中国(香港)法人から49%の出資を受ける企業「イーキウイ」によって立て続けになされているのが、愛媛県西条市だ。農水省の調査によると18~20年に同社は16.4ヘクタールを取得。実際にはすでに30ヘクタールほどで園地の造成を行っているようで、将来的には150ヘクタールにすると目標を掲げる。ここで生産しようとしているのは、ニュージーランドのキウイフルーツの生産・販売会社であるゼスプリ・インターナショナル(以下、ゼスプリ)向けの「ゼスプリキウイ」だ。

愛媛県は、キウイの生産量日本一を誇る。なかでも西条市に本部を置く東予園芸農協は、ゼスプリキウイを産地化したことで知られ、その出荷量は全国2位だ。イーキウイが農地取得を進めるのは、まさにこの農協の管内。しかも、設立には農協が深くかかわっていた。

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