2022.06.16

家事、妊娠、流産…すべてに無関心な「アスペルガー症候群」夫との結婚生活が「もう無理だ」と悟った瞬間

結婚生活は「マイナスひとり暮らし」

21歳にして、勤務先の20歳年上の医師と結婚した医療事務の真理子さん。周囲には“玉の輿”“勝ち組”と呼ばれてうらやましがられたが、アスペルガー症候群の夫との生活で次第に「カサンドラ症候群」と呼ばれる抑うつ状態に陥っていく。幸福な妻はいかにして、カサンドラな妻になってしまったのかを前回記事で語ってもらった。

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真理子さんは「アスペルガー症候群」の元夫との生活を「マイナスひとり暮らし」と表現した。

「ひとり暮らしの時に熱を出したりすると、孤独でみじめですよね。でも、元気なときは自分の時間を自由に使える、ひとりの解放感に浸れるという意味でプラスマイナスゼロです。

でも、アスペルガー症候群の元夫の生活はこちらの調子が悪くても全くいたわりがないのに、彼の都合だけは満たすことを求められる。私って何なんだろうとずっと考えていました」

真理子さんのことが好きでたまらなかった夫の様子が変わったのは、結婚してすぐだったと言う。

「彼は病院から呼び出しがあるのと、人と一緒だと眠れないということで、寝室は別になりました。そこに不満はありませんでしたが、新婚旅行の時からほとんど喋らず、私が話しかけても『うん』と『いいえ』くらいしか言わない。料理を作っても、おいしいとは言わず、黙って食べて部屋に入ってしまう。

私が何か怒らせてしまったのかと思って聞いてみたのですが、そんなことはないと。物の言い方もキツくなりました。近所の魚屋さんが『お嬢さんにサービス』と言っておまけをしてくれたんです。

家に帰ってその話をすると、『ここは高級住宅街で、古くから住んでいる人がほとんどだから、そういう人に比べたら若いのは当たり前』と言われました。私は単なる日常会話をしたかっただけなのに、ずけっと言われてしまって…」

 

小児精神科医・宮尾益知氏と公認心理師・滝口のぞみ氏の共著『アスペルガータイプの夫と生きていく方法がわかる本』(大和出版)では、「アスペルガー症候群」の人が結婚後に豹変する理由について、こう解説している。

「結婚を機に態度が変わるのは、妻が他人ではなくなり、自分の延長線上のものだと捉えるようになるためです。自分が思っていることは、当然妻も思っているし、自分が心地いい状態は、妻も当然心地いいと思うのです」

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