2022.06.04
# ウクライナ # 世界経済 # ロシア

国によって異なるロシア・ウクライナ戦争の影響

ウクライナ戦争で、世界はどうなる?
ロシアによるウクライナ侵攻が開始されてから、早や3ヵ月。21世紀の市街地での地上戦は、私たちに強烈なインパクトを与えている。
この戦争は、世界経済にどんな影響をもたらしているのか? すでに円安と物価上昇にあえぐ日本経済は、今後どうなるのか?
日本病――なぜ給料と物価は安いままなのか』で、日本経済の問題点を鮮やかに腑分けした永濱利廣氏(第一生命経済研究所 首席エコノミスト)が、世界編と日本編、2回に分けて解説する。

ウクライナ戦争が、世界経済に大打撃を与えた理由

2月24日に、ロシアがウクライナに侵攻を開始してから、連日激しい戦争の様子が報道されている。停戦交渉が続けられているものの、いまだ戦争終結の目処は立っていない。

同時に、全世界的に物価が高騰し、経済は大きく混乱した。局地的な戦争が、なぜ、これほど大規模な影響を及ぼしたのか。それは、ロシアとウクライナが、世界の食料・エネルギーの主要な供給元であったことによる。

戦争前2020年の世界市場における輸出シェアを見ると、ロシアは原油で世界第2位、液化天然ガス(LNG)では世界第1位のエネルギー輸出大国である。穀物においても、小麦の世界最大の輸出国はロシアで、ウクライナが第5位。トウモロコシは、ウクライナが世界第4位だ。

大きな被害を受けているウクライナは、戦争前のように輸出ができる状況にはない。ロシアは、経済制裁によって自由に輸出ができない。こうなると、世界的に食料やエネルギーの不足が生じる。こうして、食料やエネルギーの輸入依存度が高い国ほど、厳しい影響を受けることになった。