2022.06.02

「大佐」の読み方は「たいさ」ではなく…旧日本海軍の「不思議な慣習」

ドラマにリアリティを与える戦時考証

多くの戦争体験者へのインタビューを重ねてきた筆者は時おり、ドラマやドキュメンタリーなど、テレビ番組の考証にも携わることがある。軍人が登場する場合、その人物の背景や人事制度を踏まえなければ衣装も決められないからだ。何気ないシーンの裏に隠された面倒極まりない海軍の人事制度とは――。

海軍技術中尉の襟章(上)と技術少尉の肩章(下)。筆者の親戚がつけていたもの
 

「海軍の戦時考証」に携わった

これまで数多くの戦争体験者へのインタビューを重ね、何冊かの本を上梓してきた関係で、筆者は時おり、「海軍の戦時考証」という狭い範囲ではあるが、NHKの朝ドラをはじめ、ドラマやドキュメンタリー番組の考証のお手伝いをすることがある。

一本まるごと監修することもあれば、必要な部分だけ問い合わせに答えることもあって、関与の度合いはさまざまだけれど、そこを疎かにしたら画竜点睛を欠いてしまう、という場面が多いのでけっこう気を遣う。

ドキュメンタリー番組では、ATP賞大賞を受賞した「零戦~搭乗員たちが見つめた太平洋戦争~」(2013)や、BS世界のドキュメンタリー「チャーチルを裏切った男たち」日本語版(2012)、「池上彰の零戦講座」(2021)、ドラマだと「真珠湾からの帰還」(2011)、朝ドラ「おひさま」(2011)などは全体を監修したし、そのほかの番組でも、海軍が出てくるものには相当数関わってきた。

ドラマは創作だから考証も楽に見えるかもしれないが、ドキュメンタリー番組はひたすら史実を提示すればよいのに対し、ドラマは演出意図も勘案して、話の流れのなかでほんとうらしく作らないといけないので、かえって手間がかかる。

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