2022年4月から、不妊治療における健康保険の適用範囲が拡大され、これまで保険適用外だった人工授精・体外受精・顕微授精等で健康保険が使えるようになりました。

とはいっても、不妊治療を続けるうえでの金銭的負担は小さくないのが現実。そこで今回は、不妊治療にかかる費用と、その負担を少しでも軽くするためのこれまでの助成制度、今回の保険適用で何が変わったのかなどについてご紹介します。

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不妊治療は、誰にとっても他人事ではない

子どもを望んでいるけれど、なかなか妊娠しない――そういったご夫婦にとってひとつの選択肢となるのが不妊治療です。

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今でこそ「不妊治療」という言葉は一般的になりましたが、その歴史はそれほど古くありません。世界で初めて体外受精によるベビーが誕生したのは1978年、イギリスでのこと。日本では初めて体外受精によるベビーが誕生したのは1983年のことです。

しかしそこから40年弱の間に、妊娠・出産をとりまく環境は大きく変わりました。日本でも1983年に最初の成功例が報告されて以来、現在までに71万人以上の生殖補助医療(体外受精胚移植や顕微授精、凍結胚移植)による新生児が誕生しています。日本産科婦人科学会のデータによると、2019年の1年間において、いわゆる不妊治療によって生まれたベビーは6万人以上。この年の出生数は、約86万5,000人ですから、おおよそ14人に1人のベビーが不妊治療を経て誕生した、ということになります。

引用元:
https://plaza.umin.ac.jp/~jsog-art/2019data_202107.pdf

また、治療をしたからといって必ずしも出産までたどり着けるとは限らないのが不妊治療です。2015年のデータによれば、不妊を心配したり、検査や治療を受けたりしたことがある夫婦の割合は35%にも及びます。実際に私の周りでも不妊で悩んでいるご夫婦は少なくありません。

実際に検査や治療を受けたことがある夫婦は18.2%ですが、子どものいないご夫婦に限ると28.2%にのぼります。子どもを望む人にとって、不妊治療は他人事ではない、というのが実態なのです。

引用元:
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000138824.pdf