2022.06.17
# 量子コンピュータ

グーグルがいま、本気で開発している「量子コンピュータ」は、世界をどう変えるのか?

既存のコンピュータの性能を遥かに凌ぎ、世界を変える技術とされる量子コンピュータ。はたして「夢の超高速計算機」は本当に実現するのかーー。
6月15日(水)発売の小林雅一氏による「量子コンピュータ」の入門書『ゼロからわかる量子コンピュータ』から、本のエッセンスをお伝えする「はじめに」を一部公開します。

夢の超高速計算機は本当に実現できるのか?

昨今のAI(人工知能)やブロックチェーン、最近ではメタバース(3D仮想空間)など、 IT業界はバズワード(流行語)に事欠かない。

それらの中にあって、量子コンピュータは別格かもしれない。

難解・深遠な量子力学を計算の原理に応用したこの次世代コンピュータは、(日本の「富岳」のような)世界最速級のスーパーコンピュータ(スパコン)でも数万〜数億年もかかるような計算をわずか数分でやり遂げるという。

スパコンを頂点に現在広く使われているデジタル汎用コンピュータは、もともと1940年代半ばに米国で軍事用に開発された「エニアック(ENIAC)」に端を発する。以来、科学技術の研究開発を縁の下で支え、それを通じて高度な現代文明の発達を促してきた。

特に1970年代以降、LSI(大規模集積回路)など半導体技術の微細化から生まれたパーソナルコンピュータ(PC/パソコン)は、年代のインターネットブームを経て今や 私たちのビジネスや暮らしに欠かせないものとなった。

これら既存のコンピュータを遥かに凌ぐとされる量子コンピュータは、これまでには想像もつかなかったような繁栄を世界にもたらしてくれるはずだ。 しかし、問題はそれが「本当に実現できるのか」ということだ。