フォーリンラブのバービーさんが芸人として、ひとりの女性として、日頃抱えているモヤモヤと向き合い、自らの言葉で本音を綴っているFRaUweb連載「本音の置き場所」(毎月1回更新)。今回は、数年前に芸人を辞めたかつての仲間に連絡したときの話、その会話のやりとりからバービーさんが考えたことをお伝えします。

バービー連載10回までが1冊になった初のエッセイ集『本音の置き場所』はこちら

スネ夫の姿に感情移入してしまう

『ドラえもん』の中で、一番自己顕示欲が強いのはジャイアンじゃなくて、スネ夫なのかもしれない。そう思うのは、私自身がそうだからだ。

-AD-

そんな自分が嫌だから、「自己顕示欲や承認欲求なんか強くありませんよ」というフリをするのが年々うまくなってきた。なので、No.1にはなれないことをわかっていながら、ジャイアンの太鼓持ちをするスネ夫の姿には感情移入してしまう。

スネ夫の将来の夢はデザイナーだったが、大人になったスネ夫は貿易会社の社長になったという設定らしい(映画『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』より)。デザイナーという、自分を表現する仕事を夢見たが、現実的に生きていくためにビジネスの道へ路線変更したのかもしれないと想像すると、共感して胸が痛い。

自由奔放なジャイアンタイプに思われがちな私だが、自己認識はちょっと違う。ジャイアンは生まれながらにして圧倒的スター、のび太はドラえもんありき、しずかちゃんは男性が作り上げた幻のようだと私は思っている。そんな私は、理想通りの自分になれなくて虚栄を張るスネ夫だ。

私だって、この急速な価値観の変化や世間からの批判にガス欠状態になるときがある。どんな仕事も自己表現だと思っているが、特に発信する人、エンタメやメディアに携わる人は、コンプライアンス遵守の強化にコロナも相まって、挫折を強いられがちなのではないだろうか。

特に、悲しいニュースが続いたこの頃、芸人としてどうありたいのかを自問自答する日が続いた。

写真提供/バービー