アメリカが、中国の台湾侵攻を「絶対に許さない」と言える根拠

日米共同声明から考える

「台湾防衛」をまた明言

日米両首脳の対面による本格的な会談が初めて行われ、共同記者会見でバイデン米大統領は「台湾を防衛するか」と問われ、「イエス」と断言した。記者から重ねて「防衛するのか」と聞かれ、「それが私たちのコミットメント(約束)だ」と強調した。

米国に台湾防衛の義務はないが、微妙な中台関係に配慮して歴代米政権は台湾防衛の意思を明示しない「あいまい戦略」を維持してきた。バイデン大統領は昨年、「われわれは台湾を防衛する責務がある」とあえて2回失言。今回も繰り返したことで「米国は台湾を防衛する」という「明確な戦略」を打ち出したことになる。

記者会見を行う岸田文雄首相とバイデン大統領[Photo by gettyimages]
 

会談後に公表された日米共同声明は、昨年4月の同声明を確認するように「台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調した」との一文を盛り込み、抑止力と対処力を強化することで一致した。

今回の声明には、「(岸田文雄首相は)国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する決意を表明した」「日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明」とあり、検討中の敵基地攻撃能力の保有や防衛費の対GDP2%以上を対米公約の形で先取りした。

中国について「率直な意思疎通の重要性を強調し、共通の利益を有する分野において可能な場合に中国と協力する意思を表明した」と書き込み、わずかに配慮を見せたものの、全体としては対決色が勝る。

中国の行動を日米が連携して強力に抑止する――そんなメッセージが込められた共同声明となった。

対中政策はいつ転換したのか?

中国の民主化に期待し、歴代政権の後押しを続けてきた米国が「戦略的競争」に転換したのは、トランプ政権下の2018年10月4日、米国のシンクタンクで行われたペンス副大統領の演説がきっかけとされる。

ペンス氏は「建国以来米国は中国人民の友であろうとし、中国共産党政府の改革・開放政策を後押しし、その経済発展と自由民主主義への移行を期待してきた」と米国の立場を説明、「しかし、世界貿易機関(WTO)加盟後に中国の国内総生産(GDP)は9倍となったにもかかわらず、中国政府は強権的体質を強めている」と中国の現状を指摘した。

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