財務省の超エリート「次官候補」は何に追い込まれたのか?逮捕劇までに財務省で起こっていたこと

自民党内で「ご説明」行脚

財務省総括審議官の小野平八郎容疑者(56歳)が、5月20日逮捕された。

《20日午前0時すぎ、東京都内を走行中の東急田園都市線の車内で他の乗客を殴ったり蹴ったりしたなどとして、暴行の疑いがある》NHKニュース

財務省の総括審議官とは、財務事務次官(あるいは、対外的には次官級である財務官)へのコースだ。統括審議官を経た官僚は、たとえ事務次官になれなくても、国税庁長官か他省庁の事務次官になっている。財務官僚の中でも「超エリートポスト」だ。

しかし今回の逮捕劇により、小野氏は20日付で総括審議官から大臣官房付に降格された。

総括審議官の担当は国内経済一般である。表向き、日銀との調整事務もあり、かつては事実上公定歩合を「決めて」いたこともあったポジションだ。1998年の日銀法改正以降は形式・実質ともに日銀が金融政策を決めている。

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実をいえば、筆者は日銀法改正以前の総括審議官の下で働いていたこともある。その当時、日米経済摩擦が問題になっていた。アメリカ政府が日本に内需拡大を要求するときの経済理論的根拠になっていた「ISバランス論」を論破せよ──もし出来たらノーベル賞級という、そんな難題を課せられたこともあった。

統括審議官は、最近では政府の経済財政諮問会議関連の仕事が多い。5月16日に諮問会議で「骨太の方針」の骨子案が出された。これは、骨子つまり項目だけであり、5月中に原案をつくり、6月上旬に閣議決定される予定だ。

 

「骨太の方針」の策定に当たっては、当然のことながら、自民党との調整も必要だ。この7月に参院選を控える自民党は、6月までに公約を固める必要がある。高市早苗政調会長が自民党内で政策の取りまとめは行うものの、自民党内の各所に「ご説明」という名目で接近し、財務省の意向をできるだけ通りやすくするのも、総括審議官に課せられた仕事のようだった。

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