2022.05.23
アメリカだけじゃない…ここへきて世界的な「大幅株安」の圧力が高まっている理由
コストが上がりまくっている米国株価の大幅下落
5月18日の米国株式市場では、S&P500指数が前日から4.04%下落した。
その主たる要因として、小売大手企業であるターゲットの2〜4月期決算にて純利益が前年同期比で51.9%と大幅に減少したことは大きい。
ターゲットをはじめ小売関連銘柄が大幅に売り込まれたことが米国の株価の大幅下落につながった。
ターゲットをはじめ多くの企業が、想定を上回る世界的なコスト増加圧力に直面している。

エネルギー資源の不足に加えて、トラック運転手の不足なども深刻化している。
原油価格上昇によるコスト増加と中国経済の悪化によって、東南アジアの石油化学プラントの稼働率は低下し、エチレンなどの基礎資材の需給も逼迫している。
世界的な物価上昇圧力は一段と強まるだろう。
インフレ退治のためにFRBやECBなどの主要中央銀行はさらに必死になって利上げなどを進めなければならなくなるだろう。
新興国でもインフレ退治と通貨防衛のために利上げを余儀なくされる国が増える。
コスト増加による業績悪化、金利上昇と株価下落などの懸念はさらに高まる。
世界全体で物価高騰と経済成長率の低下が同時に進む恐れが高まっている。