共働き世帯が増え「専業主婦」は減っている。厚生労働省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」のまとめによると、2021年の専業主婦世帯は566万世帯であるのに対し、共働き世帯は1247万世帯と2倍以上だ。

専業主婦とは、家事・育児に専念し、税制上課税所得に達せず、扶養家族としてみなされる妻のことをいう。「浮気」という観点から専業主婦を考察すると、夫の収入で生活しており自由になるお金が少なく、出会いも少ないことが想像できる。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「マッチングアプリの登場で、専業主婦の浮気は増えました」と語る。彼女は離婚調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。今回相談に来たのは、45歳の経営者の男性。専業主婦の妻が娘を連れていなくなってしまったのだという。一体何があったのか。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持つ女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
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経済力もある上、性格もいい男性

今回の依頼者は男性です。亮平さん(仮名・45歳)は、3ヵ月の海外赴任から帰ってきたら、家から妻(38歳)と娘(5歳)がいなくなっており、私たちに相談に来ました。
亮平さんはある経営者からの紹介でした。私たちは社員の素行調査も行っており、この経営者は私たちのリピーターでもあります。

彼が言うには、亮平さんはかつて大手IT関連企業に勤務するエリートビジネスパーソンで、とても仕事ができ、起業し、今の収入は数千万円。それなのに、謙虚な性格で多くの人から慕われていて、「なんとか助けになってくれないか」と強く言われたのです。

「本来なら、山村さんではなく警察に相談すべきなのですが、事件性はないと判断しています。ですから、下手に大事になって、お互いの両親が動き出すと面倒なことになる前に、私が解決したい。山村さんに居場所を探してもらい、時間がかかってもいいので、2人に家に帰ってきてほしいのです」

DVやモラハラの人が嘘をついて逃げた妻子を探してほしいと言ってくることもあるが、亮平さんはそうではないことがわかった。居場所を言わずに元気かどうかの報告をすることもできる Photo by iStock

憔悴した表情で亮平さんは言います。私のところには、家出した妻の行方調査が入ることがあります。それは、DVやモラハラから決死の覚悟で脱出した妻の居場所が知りたい人が多く、その場合はお断りします。また、そういう依頼者にはある種の共通点がありますが、亮平さんにはそれがありません。依頼をお受けし、夫婦の背景を伺いました。