2022.05.28
# デフレ # 日本経済

高騰するマンション価格は、今後どうなる?

ウクライナ情勢と投資環境から考える
東京オリンピックが終われば値下がりするはず、と思っていた大方の予想に反し、大都市圏を中心にマンション価格の上昇が止まらない。低賃金・低物価・低金利・低成長が続く日本で、なぜマンション価格が上昇トレンドにあるのか? また、現在の為替や世界情勢は、今後の不動産価格にどういった影響を及ぼすのか?
日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』を上梓したばかりの永濱利廣氏(第一生命経済研究所首席エコノミスト)に、今後の見通しを解説してもらった。​


前回記事:インフレ率日本2%、米国8%——日本の物価はまだまだ「安い」!

マンション価格はこれからどう動くか?

首都圏を中心に新築マンションの価格は、2013年のアベノミクス以降、大きく上昇している。

下のグラフで、消費者物価指数が「低物価」ニッポンを象徴するように横ばいであるのに対して、新築マンション価格はバブル崩壊後の大幅下落を経て、再び上がり始め、現在、首都圏ではバブル期の水準を超えてきている。

理由としては、金融資産の多くが現預金で、かつ過剰貯蓄の日本において、不動産が比較的投資しやすい対象であったことが考えられる。

では、今後の大都市圏のマンション価格はどうなるか?

結論から言えば、まだしばらくは上昇トレンドが続くだろうと思われる。

実際、2022年2月の新築マンション1戸当たりの平均価格は、前年同月比+16.3%。中古マンションも、前年同月比+6.6%だった(ダイヤモンド不動産経済研究所の調査による)。

都市部では好立地の確保が難しくなっていることを受け、中古マンションの取引価格も上昇トレンドにある

3月以降は、ウクライナ情勢の影響で、鉄鉱石や木材などの原材料費が高騰。半導体の不足により、一部の設備が調達できないなどといったことも起き始めているようだ。

さらに、アメリカの利上げに伴う急激な円安によって、日本の不動産は割安になり、海外からの資産が流入しやすい状況にもある。

それゆえ、当面、都心のマンション価格の上昇傾向は維持されそうだ。