2022.05.27

安くなった日本の土地…いま、中国人富裕層が「京都の不動産」を続々と買い占め始めた

コロナ禍収束の兆しが見え始め、客足も戻りつつある千年の都・京都。その土地を巡って水面下で中国人たちが動いている。伝統ある神社仏閣や花街といった日本人の「遺産」の行方はどうなるのか。

中国製の高級車で登場

京都市内でも屈指の観光スポットで知られ、古都らしい風情の漂う祇園・東山。南北に走る東大路通りの車道に一台の黒塗りのセダンが停まる。颯爽と降り立ったのは、王彬氏(仮名)だ。

「今日は一棟貸しの町屋旅館にリノベーションする建物の下見に来たんです。私の会社だけでも、東山エリアではこれで3軒目になるかな。とにかくこの一帯は中国人に人気で買うのも一苦労です。

この車?第一汽車の紅旗『H9』ですよ。昨年2月に上陸したばかりで、大阪の日本一号店で買いました。値段は800万円くらいだったでしょうか。紅旗は中国要人にも愛される車ですから、私も乗っていて気持ちがいいです」

Photo by iStockPhoto by iStock
 

そう言って高級車を乗り回し、京都市街を物色する王氏は北京出身の在日華僑だ。日本の外資系合弁メーカーに就職した後、独立して京都に不動産コンサルティング企業を設立。宿泊施設の運営や、海外投資家向けに不動産売買仲介を行っており、京都の土地や建物の買収に動いているのだ。

彼のような存在はこの地では氷山の一角にすぎない。今、「中国資本」によって、京都の町が次々と買い占められている。標的となるのは伝統ある神社仏閣に至近の土地だ。王氏はこう話す。

「日本人の場合、定年退職後に移住してくるケースが多く、交通の利便性を重視してか、南は京都駅から北は丸太町の、堀川通り沿いの土地を買う傾向にある。これが中国人になると少し感覚が違う。

観光地が最寄りにあることが大前提だから、特に祇園・東山が人気になる。ただ建仁寺周辺のような、寺社保有の土地は手出しできません。その点、清水寺や八坂神社、高台寺周辺は意外に個人保有が多く、買い漁るにはうってつけなわけです」

SPONSORED