2022.05.23

日本が貧しくなったいま「円安」で大論争…嘘つきは「日銀」か「経団連」のどちらなのか

円安で輸出産業が儲かれば、賃金が上がって、日本全体が潤う—そんな「円安神話」が揺らぎ始めている。10年近くに及んだ金融緩和の末、円の弱体化が明確になった。為替をめぐる大論争が始まる。

国民の生活にマイナス

数十年ぶり、過去最大、歴史的……。そんな言葉が経済面に躍っている。

5月16日、日銀が発表した4月の企業物価指数の速報値は前年同月比でプラス10%となった。比較可能な1981年以降で最大の上げ幅だ。

4月28日には外国為替市場で1ドルが131円台をつけた。20年ぶりの円安水準である。

そんな状況で、企業の業績は絶好調に見える。旧東証1部に上場していた1322社の純利益('22年3月期決算)は、前年比67・6%増の約33兆円で過去最高を更新すると推計される。

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とにかく異例の数字だらけで、日本経済が大きな転換点に来ていることは間違いない。問題は、この円安が「良い円安」なのか、「悪い円安」なのか、ということだ。

'13年に、黒田東彦総裁が誕生してから、日本銀行は金融緩和を推し進めてきた。その結果進んだ円安は、輸出を伸ばす経済のカンフル剤として、歓迎すべきものとして考えられてきた。

だが、今回は様相が異なる。第一に輸入品の価格上昇がさまざまな商品の値上げに直結し、家計を直撃している。

企業もこれまでのように諸手を挙げて円安を歓迎しているわけではない。4月18日、経団連の十倉雅和会長は、「昔のように円安になれば貿易収支も経常収支も経済もよかったという、そう単純なものでなくなっている」と、急激な円安に懸念を示した。

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