2022.05.24

このままでは「旅客機を飛ばせなくなる」…JALとANAの“悲痛な呼びかけ”のウラにあるSAF問題

「飛び恥」の克服は世界の共通課題

「飛び恥」と言う言葉をご記憶だろうか? 

数年前、スウェーデンの10代の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが連呼した、スウェーデン語の「フリーグスカム」の日本語訳だ。英語で言うと「フライトシェイム」である。

photo by gettyimages

ジェット燃料を使い、大量の二酸化炭素(CO2)を排出、環境に負荷をかける旅客機に乗るのは厚顔無恥な行為だ、というのである。当時は流行語にもなった。折しも、世界的に気候変動対策に対する関心が高まっていたことから、この言葉は広くに受け入れられた。

その結果、欧米では、飛行機の代わりに鉄道を利用する人が増えた。日本でもJRの一部が、これを理由に新幹線の利用促進キャンペーンを行った時期もある。航空各社が強い危機感を抱くことになる“経済・社会的事件”だった。

「飛び恥」に対して、国連傘下の組織「国際民間航空機関」(ICAO)など世界の航空業界の出した答えが、本コラムのタイトルにも付けた「SAF=Sustainable Aviation Fuel」(持続可能な航空燃料)である。従来のジェット燃料のような原油由来ではない、バイオ燃料の一種だ。ICAOや「国際航空運送協会」(IATA)だけでなく、欧州連合(EU)も相次いでSAFの利用を義務付ける動きに出ている。

 

ところが、日本ではこのままでは「旅客機を飛ばせなくなる」と航空会社が危機感を抱かざるを得ないほど、官民ともにSAFへの関心が薄かった。

これが、宿命のライバルであるJALとANAが呉越同舟のタッグを組んでSAFの安定確保が可能なサプライチェーンの構築を訴えている背景だ。果たして、我々日本人の「空の足」は維持されるのだろうか。

SAFは関連ビジネスへの参入を目論む企業にとって新しい収益の機会であり、エアラインにとっては存亡をかけた分岐点である。今週は最新の状況をレポートしてみたい。

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