ゼロ・ビールなら大丈夫? 知っておきたい「プリン体と尿酸蓄積のしくみ」

「ほどほど」に勝るものなし

気候の良い季節になってきました。この季節、とりあえずビールを飲みたい! それでもって、美味しいおつまみがあれば最高!

でも、気になるのは、ぽっこりとびでた「ビール腹」? はたまた、健診でひっかかりそうな「尿酸値」? 健康は気になるけれど、思いっきり飲みたい。食べたい。なんで、美味しいものは、体に悪そうなの?

そんなせめぎ合いの毎日を送りがちですが、ところで体に良い、悪いとは何で決まるのでしょうか。ビールと尿酸値の関係で話題になる「プリン体」。なんとなく体に悪そうだけれど、なぜ? 実は、プリン体は、第7の栄養素とも言われる核酸と深い関係があるのです。

今回は、気になる成分「核酸」について紹介しながら、体に良い、悪いとは何で決まるのかを考えてみましょう。

第7の栄養素?「核酸」とはどんな成分か

栄養素としてよく知られているのは、5大栄養素の炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル。実は第7の栄養素になるのかもしれないと研究されているものに、核酸があるのです(ちなみに第6の栄養素と言われているのは食物繊維です)。

そんな雑談をし始めると、「核酸て何?」「栄養素なの?」とピンと来ないという反応をされます。一般にはまだ浸透していないかもしれませんが、核酸は栄養価の高いものとして健康への良い影響も確認され始めている成分なのです。
 
化学的な説明をすると、核酸とはDNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)の総称でもあり、糖とリン酸、塩基からなっています。この構成単位をヌクレオチドといい、塩基は、遺伝情報の伝達に重要な役割を果たしています。化学構造から、プリン塩基をもつものとピリミジン塩基をもつものとに分類されます。
 
核酸は、細胞の核の中から見つかり、酸性の物質だったことから名づけられたものです。核の中ばかりではなく、細胞質中にも存在し、遺伝情報の伝達やタンパク質の合成や細胞分裂など生命活動の重要な部分に携わっています。
 
食べものの肉は動物、野菜は植物ですから、どれも細胞からなり、当然核酸を含んでいます。

つまり他の栄養素と同様、もともと私たちの体にもあり、食べものからも摂取している、ということになります。

さらに少し化学的な話をしたいと思います。DNAやRNAを酵素で分解すると、糖、リン酸、塩基からなる構成単位の「ヌクレオチド」からリン酸が除かれ、塩基と糖からなる「ヌクレオシド」になります。一文字違いで紛らわしいですね。

核酸の分解。核酸は、糖とリン酸、塩基からなり、この構成単位をヌクレオチドという。 ヌクレオチドが分解されるとリン酸が除かれ、塩基と糖からなるヌクレオシドになる。ヌクレオシドが分解すると塩基になる。プリン骨格をもつ塩基をプリン塩基という。プリン塩基をもつものはみなプリン体になる 『本当に役立つ栄養学』より

たとえばプリン塩基をもつDNAの構成単位(プリンヌクレオチド)を考えてみます。プリン塩基の1つであるアデニンのヌクレオシドは、アデノシンとなります。

このアデノシンは、生体内の代謝に関わるなど重要な役割を果たしていますが、これに高エネルギー結合をもつリン酸が3つくっついたものが、生物のエネルギー源として重要なアデノシン三リン酸(ATP)なのです。

【イラスト(CG図)】ATPアデノシン三リン酸(ATP)分子模型図。炭素(灰色)、水素(白)、窒素(青)、酸素(赤)、リン(オレンジ)の玉で示す illustration by gettyimages

私たちは食べものからエネルギーを取り出し、それをこのATPに蓄えて利用しています。ATPは、エネルギーを必要な時に使ったり、蓄えたりできる便利な物質で、エネルギー通貨などともいわれます。

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