2022.05.23
# 学校・教育

なぜ学校の先生は「無理な働き方」をさせられてしまうのか…? 残業代も過少な「異常な実態」

元文部官僚の前川喜平氏と法政大学教授でキャリア教育が専門の児美川孝一郎氏が、この30年の教育政策について語り合った『日本の教育、どうしてこうなった?』(大月書店)。以下では、同書のなかから、学校教員の働き方改革についてお二人が語った部分をご紹介します。

「給特法」ってなんだ?

児美川:教師の働き方改革の問題では、常に論点として取り上げられているのは給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の問題であるように思います。

給特法とは簡単に言ってしまえば、教員の時間外勤務についての条件を定めるとともに、時間外勤務の手当は支払わずに、月給の4%の「教職調整給」を支払うことを決めた制度です。これについて前川さんはどうお考えですか。

前川:私の意見は、給特法廃止です。労働基準法をそのまま適用すればよい。

児美川:すっきりしていますね。最もシンプルです。

 

前川:給特法ははっきり言って、説明がつかない法律なんですよ。給特法ができる前は、法的には労働基準法が公立学校の教員にも適用されることになっていた。けれども、時間外勤務手当は出さないという方針があって、そうである以上、時間外勤務は命じてはならぬという話だったんですね。

でも実際には時間外勤務はあったわけで、それで1960年代に全国で超勤訴訟が起きて、次々と教育委員会側が負けていったんです。時間外勤務の実態があるのに時間外勤務手当を出さないのは、労働基準法違反であると。ちゃんと時間外勤務手当を出せという判決が次々と出て、人事院と文部省が、何かしなきゃいけなくなった。

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