中国の「挑発行動」が止まらない…空母が実戦的“演習フェーズ”に突入した意味

日本はどう備えるべきか

5月1日に沖縄・宮古島間を通峡して太平洋へ進出した、中国海軍のクズネツォフ級空母「遼寧(りょうねい/CV-16:65,000トン)」を中心とする空母打撃群(グループ)は、沖縄南方の海域から台湾西方の海域で2週間余りにわたって活動している。この活動にはどのような意味があるのだろう。

中国航空母艦「遼寧」(2017年撮影)/photo by gettyimages
 

演習の参加隻数や頻度が増加

筆者は本誌において、2019年の7月(中国の空母「遼寧」が日本近海通過、その事実が暗示する恐ろしい未来)と、2021年の4月(中国海軍の空母がまたも日本近海へ「挑発行動」…わが国の防衛に「必要なもの」)に、この中国海軍の空母グループについて記載した。最初に掲載した2019年7月の時点で、「中国海軍の空母打撃群は、ようやくその運用が緒に就いたばかりと見られる。しかし、もう間もなく艦載機を満載した「遼寧」艦艇群が定期的に西太平洋を周回するようになるであろう」と述べていた。まさに、それから3年を経て、これら空母打撃群が本来の能力を発揮する時期が到来したということなのであろう。

このような(沖縄・宮古島間を通峡して太平洋へ進出する)空母グループの活動は、2016年から始まって7回目であり、昨年12月以来である。

2018年から2020年の3年間は、おおむね今の時期に年1回行われ、2021年は4月と12月の2回、そして今回と続く。コロナ禍の中でも中断せず、この活動は継続して実施されていた。おそらく、今後は年2回(4~6月と12~1月ごろ)の頻度で、この西太平洋付近またはさらに米国のグアム島に近い海域まで進出して、空母グループの演習を兼ねた軍事的プレゼンス(示威行動)が行われるのではないかと思われる。

今回特筆すべき内容としては、まず太平洋へ進出した艦艇数が8隻と、過去最も多かったことである。昨年までは、5~6隻でほぼ定着していたが、今回の編成は、空母「遼寧」のほか、これを護衛する戦闘艦艇として、ミサイル巡洋艦「レンハイ(CG-101:13,000トン級)」1隻、ミサイル駆逐艦「ルーヤン3(DDG-117,118,120:7,000トン級)」3隻、同「ルーヤン2(DDG-151:7,000トン級)」1隻、ミサイルフリゲート「ジャンカイ2(FFG-531:4,000トン級)」1隻及び「フユ級高速戦闘支援艦(AOE-901:48,000トン級)」の8隻であった。

このうち、東海艦隊所属の「ルーヤン2(DDG-151)」と南海艦隊所属の「ジャンカイ2(FFG-531)」の2隻は、それぞれ単艦で出航し、他の北海艦隊所属艦と東シナ海南方で合流して太平洋へ進出したものと見られる。

統合幕僚監部 報道発表資料(5/2)より
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おそらく、この2隻は、北海艦隊で編成された空母打撃群の演習に、(東・南)それぞれの艦隊から、何らかの任務を付与されて参加したものであろう。

編注:「ルーヤン2」「ルーヤン3」「ジャンカイ2」の数字はローマ数字

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