一回観ただけでは理解できない映画が好き(山田)

「さあ、今日は何の映画を観ようか」――? 時間も予算も限られた中で、何か映像作品を観ようとするとき、出演者はもちろん、監督やプロデューサー、話題性やレビューなどが“選ぶ”手助けをしてくれることは多い。そんな中で、山田孝之さんは、「この人が関わっている作品なら面白そうだ」と多くの人が思えるような、才能と表現力、センスとエネルギーの持ち主である。近年は俳優業だけでなく、音楽活動もすれば、映画の監督やプロデューサー業などにも積極的な山田さんは、「だれでも映画を撮れる時代の幕が開く」というテーマでクリエイターの発掘・育成を目的にした短編映画制作プロジェクト《MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)》の発起人でもある。

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年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、メジャーとインディーズが融合した、自由で新しい映画製作に挑戦し、“変化”をテーマに36名の監督による短編映画を4シーズンに渡りオムニバス形式で公開するプロジェクト。現在は《Season3》が全国ロードショー中だ。その中で、映画「沙良ちゃんの休日」の監督を務めた山田さんと、主演の南沙良さんに、面白いと思う映画とはどんなものかを聞いた。

撮影/張溢文
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山田 プロデューサーや監督として作品に関わるときは、誰もが笑って泣けるような、痛快な“エンタテインメント作品”とは違うものをイメージしますね。単純に好みとして、観終わった後、「あれってどういうことだったんだっけ?」となるような、一回で理解できない映画の方が好きなんですよ。映画というのは、二回、三回と観たくなって、同じ映画を観た人と、「あれってどういうことだと思う?」みたいな、コミュニケーションのツールになるのがいいと思っていて……。「沙良ちゃんの休日」も、僕は、観た人に“ふっ”と笑ってもらえるかな、ぐらいの気持ちで作っていたら、台本を読んだ女性スタッフからは、ポカンとされました。でも、反対に男性スタッフは、爆笑してくれる人が多かったです。完成品を見たある友人からは、「孝之、これホラーだよ」って言われましたけど。