動物を連れて帰ったのに、自分は何も世話をしない。
そういう無責任な飼い主が問題になっている。

では、無責任な飼い主の家族はいったいどうしたらいいのか。
実家の家を継いでおり、容姿もよくてモテた夫と20年前に結婚した西田美恵子さん(仮名・49歳)。
経済力もあり、男性としても魅力的な夫についていくつもりで専業主婦になったが、夫は家のことを一切省みず、家事育児をまかせるばかりか、平気でほかの女性の影もちらつかせていた。しかも猫をどんどん増やしてしまい、その数が20匹にも……世話をする人や経済力、土地の広さがない家であれば完全なる動物虐待だ。

美恵子さんは、子育てをしながら20匹の面倒を必死でみてきた。そして最後の1匹をみとった時に決断したことは……。

上條まゆみさんによる連載「子どものいる離婚」、美恵子さんと夫の出会いやこれまでをお伝えした前編に続き、最後の1匹をみとった頃からのことをお届けする。

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最後の1匹を看取って「やり遂げた」

「離婚を考えたこともあります。でも、ずっと専業主婦で、仕事のあてもない。経済的には豊かな暮らしをさせてもらっていたので、正直、それを捨てて出ていく勇気はありませんでした」

元夫はほとんど家にいないので、その意味では気楽だった。たまに帰ってくると、気持ちがズンと落ちる。いなければいいのに、いなければいいのに。そう願う自分もいやだった。あんなに大好きで結婚したのに

大好きだったからこそ、ついていこうと思った Photo by iStock

「いま考えると、好きというよりは執着だったのかもしれません。結婚してからも、ほかの女の人の影がちらちらある人だったから、その人たちに負けたくないっていう気持ちを愛と錯覚していたのかも」

時が過ぎ、猫も年をとっていった。美恵子さんは献身的に世話をした。1匹、また1匹と見送り、最期の1匹が虹の橋を渡ったとき、美恵子さんはさみしさとともに「やり遂げた」という思いで胸がいっぱいになった。