「紙モンダイ」「印鑑モンダイ」

「大学の主みたいになっているので、学部長や学科長の決定が事務方で覆ることもあります。事務方ラインと教員ラインでいつも戦っている感じです。彼らが事務処理をしてくれないと(産学連携の)プロジェクトは動かないので、骨が折れます」

産学連携そのものよりも、人間関係で消耗しているように映る。事務方の人たちからすれば「書類作成が増えて手が回らない」と言うそうだが、Cさんら教員からすれば「デジタル化して効率よくやればいいじゃないか、となります」

さらにここでも、小中学校同様「紙モンダイ」「印鑑モンダイ」が横たわる。
「とにかく、事務局は紙だらけです。僕ら教員とやりとりする書類はすべて紙、紙、紙です。同じ国立の東京大学、京都大学や九州大学など、名門大学はさすがに紙は少ないと聞きますが、地方大学はデジタル化に追いついていないようです」

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例えば、上述した秘密保持契約の締結に際して、まず起案書があがってくる。その内容の精査、やりとりもすべて紙で行われる。ようやく完成すると、今度は印鑑が登場する。10人ほどの管理職や関係者の印鑑をもらって回らなければ、先に進めない。

大学は若者を相手にしているため、すべてにデジタル化が進んでいると勝手に想像していたが、なかなかそうもいかないようだ。授業の出欠もIDカードで記録が残るため、以前のように紙で回す出欠表も不要になった。そこで「事務も効率化しましょうよ」と提案すると、激しい反発にあう。

「仕事を削られて、クビになるのではないかと思っているようです。効率化すれば作業全体が縮小されるので、人手がいらなくなるのではと不安なんですね