日本は学歴社会だと言われている。文部科学省が発表した、『学校基本調査(確定値)』によると、2020年度の4年生大学の進学率は53.7%で過去最高を更新。男女別に見ると男性は54%、女性は49%であり、2人に1人が大学に進学している。多くの人が進学すれば、大学の存在はコモディティ化(一般化)し、個人の能力を重要視される時代になっているが、現実はそうではないようだ。

キャリア10年以上、3000件以上の調査実績がある私立探偵・山村佳子さんは「学歴といえば、夫婦間の学歴格差によるフラストレーションが積み重なった結果、浮気になってしまうことがあります」と語る。彼女は離婚調査に定評がある「リッツ横浜探偵社」の代表だ。この連載は、調査だけでなく、調査後の依頼者のケアまで行う山村氏が見た、現代家族の肖像でもある。今回山村さんに相談をしてきたのは、自身はむしろ学歴を気にしていなかった43歳の2児の母だ。一体どんなことがあったのか。

山村佳子
私立探偵、夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定 メンタル心理アドバイザー JADP認定 夫婦カウンセラー。神奈川県横浜市で生まれ育つ。フェリス女学院大学在学中から、探偵の仕事を開始。卒業後は化粧品メーカーなどに勤務。2013年に5年間の修行を経て、リッツ横浜探偵社を設立。豊富な調査とカウンセリングを持つ女性探偵として注目を集める。テレビやWEB連載など様々なメディアで活躍している。
リッツ横浜探偵社:https://ritztantei.com/
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名門大卒の研究者の女性が

今回の依頼者は千春さん(仮名・43歳)です。とても知的な印象で、研究職としてある研究所に新卒のころから勤務しています。名刺をいただいたので、肩書を見ると部長でした。職場でもリーダー的役割だと伺えます。子供は2人おり、名門私立高校に通う息子(16歳)と、小学生の娘(6歳)です。東京23区内のはずれにある一戸建てに住んでいる、堅実を絵に描いたような女性で、スリムな体型と凛としたたたずまいが印象的です。
私のところに来たのは、結婚10年になる夫(39歳)のこと。

「私はバツイチで、夫と結婚する前に、大学(理系の名門)の同級生とデキちゃった婚をしたんです。当時は今みたいに“授かり婚”なんて言葉はありませんから、両親と義両親から“順番が逆”とか“はしたない”などと言われました。それに対して元夫は、“コイツから俺を誘ったんだ”というように私のことを悪く言ったんです。自分だけが正しいと思い込んで生きている典型的なタイプです。

さらに、元夫は理詰めでモノを言う性格なんです。私も黙っちゃいないので、ケンカばかりの結婚生活でした。息子が3歳の時に、元夫が浮気をして、離婚。慰謝料と養育費をガッチリもらって、31歳のときに別れたんです」

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