2022.05.23
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日本の機密情報も狙っている、ロシア政府の「ハッカー集団」の巧妙な手口

東京五輪を狙ったサイバー攻撃も

電脳空間で世界各国にサイバー攻撃を仕掛けているロシアだが、日本も決して例外ではない。事実2020年には、東京五輪の関係各所に対してロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)がサイバー攻撃を行ったことが明らかになっている。

プーチンの国家戦略を分析した書籍『ハイブリッド戦争』から、「APT28」というロシア政府のハッカー集団が実施した巧妙なサイバー攻撃について紹介しよう。

ハッキング実行部隊の身元が判明

2018年、イギリスとオランダの当局が、ハッキングの実行部隊であるGRU要員4人(アレクセイ・モレニェツ、エブゲニー・セレブリャコフ、オレグ・ソトニコフ、アレクセイ・ミニン。前二者がIT専門家で、後者が補佐役とされる)の身分を公開し、世界に衝撃を与えた。ハッカーの身分を突き止めるということはきわめて困難だからだ。

その4人は、18年4月10日にオランダに入国し(ロシア大使館職員が出迎え)、11日にレンタカーを借り、その後、化学兵器禁止機関(Organisation for the Prohibition of Chemical Weapons、以下OPCW)の事務局の近辺を偵察してから、13日にOPCW付近のホテルに駐車したレンタカーの荷台に機材を置いてWi-Fiネットワークを通じてハッキングを試みたとされる(スイッチを入れようとしたところで、オランダ軍情報部門の部隊が阻止)。

オランダのハーグにある化学兵器禁止機関[Photo by gettyimages]
 

オランダ当局は、イギリスから事前に情報を得ていたために、その4人をずっと監視することができていたのだ。さらに英蘭当局は、4名の他に約300人の身分を割り出すことに成功したことも発表した。

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