2022.05.14

公約の「対コロナ司令塔創設」はどこへ…次のパンデミックは悲惨なことに

消えたボトルネック検証と対策強化

岸田首相の後退

「健康危機管理庁の設置」という話をご記憶だろうか。岸田文雄首相が就任前の自民党総裁選で公約として掲げた「目玉政策」のひとつだった。2021年の新型コロナウイルスの再拡大で、医療体制が逼迫。自宅療養の患者が死亡する例が相次いだことから、政府や自治体、医療機関の連携強化の必要性が指摘されていた。担当閣僚が地方を含めた感染症対応を統括するイメージを岸田氏は打ち出していた。

by Gettyimages

だが、首相になるとその「自説」はすぐに後退する。10月4日の就任記者会見では、新型コロナ対応についてこう語った。

「これまでの対応を徹底的に分析し、何が危機対応のボトルネックになっていたのかを検証してまいります。その内容を踏まえ、緊急時における人流抑制や病床確保のための法整備、また危機管理の司令塔機能の強化など、危機対応を抜本的に強化してまいります」

政府の「司令塔機能の強化」には触れたものの、「健康危機管理庁」という言葉はついぞ登場しなかった。大手メディアには「『健康危機管理庁』トーンダウン 宙に浮くコロナ司令塔」(時事通信)という批判記事も出た。

 

その後、首相の姿勢はさらに後退する。

総選挙後の12月6日の所信表明演説では「これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証します」としたものの、「そのうえで、来年(2022年)の6月までに、感染症危機などの健康危機に迅速・的確に対応するため、司令塔機能の強化を含めた、抜本的体制強化策を取りまとめます」と語ったのだ。要は対応の期限を半年先にまで延ばしたのである。

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