双子を授かってみたら……

「ずっと憧れていたマタニティライフ。不妊治療をしていた当時は妊婦さんがただただうらやましかった。でも経験してみるとキラキラしたものとは程遠く、検診の時には毎回吐きそうなくらい緊張します。ちゃんと生きているかなと心配で…」

「急に子宮頸管が短くなり、昨日から急遽入院生活です。さすがにふたり分の重さに耐えきれなくなってきたかな。健診に来てそのまま。双子妊娠はそう甘くはなかったです」

「大きな地震があって怖かったです。入院前に赤ちゃん用の避難グッズを準備しました、2人分のオムツやミルク…。それだけでもすごい量。その荷物と双子とだいずくん(愛犬)を連れての避難は現実できでないと、準備をしながら途方にくれたのです」

「ふたり分の授乳に、ふたり分のオムツ替え…休みなしでしんどいと思うこともありますが、今ここにふたりがいてくれる奇跡をかみしめています」


※大山加奈さんのSNSより抜粋
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2021年2月に、双子を出産した元バレーボール女子日本代表の大山加奈さん。3年間に及ぶ不妊治療、その後の妊娠・出産、そして双子の育児の日々を、ツイッターやインスタグラムを通して発信してきた。

大山さんの投稿から、双子の妊娠や子育ては一人のときとはまた違った難しさがあることが伝わってくる。

双子、三つ子など同時に複数の赤ちゃんを妊娠することを「多胎」という。

日本における多胎の分娩件数は、年間9900件(2017年)ほど。これは、100人に1人の母親が、双子や三つ子などの多胎児を出産している計算になる。多胎児が生まれる背景には、体外受精など不妊治療の普及が関係していると考えられている。大山さんもそうだが、不妊治療の苦労の末、「やっと授かった子ども」ということもあり、多胎児を出産すること、子育てすることの不安を口に出せない人たちも存在するという。

多胎児出産・育児にはどのような困難があるのか。どうしたらその難しさを、周囲が助けてあげられるのか――。マンガ『コウノドリ』に医療監修者のひとりとして参加し、新生児科医の今橋貴之のモデル(ドラマ版では大森南朋さんが演じた役)となった小児科医の今西洋介さんは、以前から多胎児の困難について発信してきた医師だ。そんな今西さんの呼びかけで、今回の大山さんとの対談が実現した

子育て真っただ中の大山さんとリアル『コウノドリ』な現場で数多くの難しい出産に立ち会ってきた今西さんが語り合った模様を、前後編にわけてお届けする。

大山加奈さんと新生児科医の今西洋介さん。写真/及川夕子