2022.05.14

自宅を売って2300万円で「地方移住」した夫婦、わずか3年で「家を失った」ワケ

悠々自適のはずだったのに…
長野 郁子 プロフィール

もう一方「現実型」は親の介護や自分自身が大病したなど、老後の意味や体が弱った現実を知っている方たちだ。もちろん混在している場合もある。

どちらが良いとか悪いとかいう問題ではない。「自己実現型」の方のお話は本当に楽しそうで、きっと釣りや農業や田舎暮らしの雑誌をパラパラめくりながら、厳しい仕事に堪えているのだろうと思うとつい応援したくなる。

 

でもそこはFPなので「住み替えでやりたいことがありそれができるのなら、後で悔やむよりやった方がいいですよ。でも必ず『撤退準備』もしてくださいね。特に撤退できるだけのお金は残さないと大変なことになりますよ」とアドバイスし、キャッシュフロー表(年ごとの収支を一覧にした100歳ぐらいまでの資金繰り表)を作って撤退後の見通しをつける。

何故こんなアドバイスするかというと、こうした「自己実現型」の住み替え先の多くは、自分で運転できなくなると生活できない土地が多いからだ。どんなに自然が豊かで素晴らしい環境でも運転ができなくなれば買い物、病院通いが出来ず生活が暗転する。だから撤退は自分で運転できなくなってからになる。厳しいけど現実だ。

そこで今回は今までの相談の中から、この「自己実現型」と「現実型」の住み替えを取り上げよう(FP相談は守秘義務があるので内容はかなり変えてあります)。

冒頭でご紹介したAさんは「自己実現型」の典型的な例だが、冒頭で予告した通り、その後、思わぬ事態に見舞われる。

その詳細については【後編】「2300万円で「地方移住」した夫婦、二人を襲った「思いがけない悲劇」でお伝えしよう。

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